【鬼滅の刃の感想(アニメ&漫画)まとめ】主人公が、異常にいい奴すぎて逆に怖い

「鬼滅の刃が面白い!!」

と、年初から20回30回くらいネットで目にする機会があり、
美容室の担当、シェアハウス同居人、スタバの高校生など
全方位から推しの声を聞き続ける日々が続いたので

「そこまで言うなら、観てやろうじゃないか」

と思い、春先にAmazonプライムでアニメ全話を視聴し、
夏から秋にかけて漫画喫茶で全巻を読み通しました。

案の定ですが、めちゃくちゃ面白かったので、
具体的に何が面白いと感じたポイントなのか、
自分なりに3点抜粋して、簡潔にまとめてみます。

炭次郎(主人公)が異常にいい奴すぎる


この漫画のシナリオをざっくり要約すると

「人間を食べる『鬼』になってしまった妹を、
 鬼のボスを倒すことによって人間に戻す」

という炭次郎の冒険記です。

彼は、ジャンプの理念「友情・努力・勝利」に則った
王道の主人公ではありますが、他の作品と決定的に違うのは

「自分の思ったことを素直に言葉にして人に伝える」

という傾向が強いことだと思います。

これは、最近の漫画にはなかなか見られないタイプの人で、
多分その理由は、漫画家さんが実際にそういう親御さんや友達と
接して育たないと、適切な言葉や行動が出てこないからです。

炭次郎のその特徴を個人的に一番強く感じたのは、
負傷後の機能回復訓練の後の描写ですね。

前後のやりとりと言葉の背景まで説明すると長くなるので省略しますが、
それぞれ、相手女性の抱えるコンプレックスを打ち消す、
救いになるような言葉をかけている場面になります。

一般社会のコミュニケーションの感覚だと、なかなかクサい台詞ですが、
炭次郎の場合は、特に何の意図や狙いもなく、こういう気持ちを
純粋に、率直に、人に伝えられることが、本当にかっこいいなと思うのです

あとは、太鼓を使って部屋を回転させる鬼と戦ってる最中の1コマ

割と絶対絶命のシーンで真っ先にこういう感情が出てきて
しっかりと言語化できるというのは、本当に作者さん、
まっすぐ自分の心に正直に生きてきたんだろうなと思います

こういった感覚は、素敵だなと思う反面、
普段絶対に出会うタイプではない、異様に感じるレベルなので、
周りの他の登場人物の方が、直接共感できる部分は多いです。

実際、物語を一通り追っていくと分かりますが、
行動を共にしていたり、直接鬼として戦って説き伏せられると、
欠点や矛盾点を嫌でも指摘される、審判役のような主人公です。

「正しい」「真面目」「真っすぐ」な人間は思った以上に
残酷な存在でもあることを強く感じました。

もし後輩として入社してきたら、尊敬はする一方で
このブレない性格のまま30代40代突入すると思うと、
大企業や製造業では巨大な歯車を壊す危険因子になりそうです。

今後、作中でどこまで彼の生涯が描かれるか分かりませんが、
炭次郎には、まっすぐで素敵な性格の部分を殺すことなく、
素敵な歳の重ね方をしてもらいたいと思います。

ちなみに、彼の性格がより捉えやすくなるのは、
他の有名なジャンプ漫画の主人公と比較した時です。

ナルトもルフィも、人一倍努力はするんだけど、
人の気持ちを考えて行動するどころか、
かなり自分勝手なことをしており、
それを周りの仲間がカバーしてくれている面が強い。

仲間仲間と日頃から口にしている割には、
彼らが本当に仲間を大事にしているかというと、
どうしても疑問を感じてしまいます。

特に、ハンターハンターの主人公であるゴンは、
炭次郎とは対局にある主人公で、彼の言動だけで
記事が一本書けてしまうくらい、自分勝手な奴です。

ずっと行動を共にし、友達だと公言してきたキルアに対し、
途中、とある怒りで周りを思いやる余裕が無くなってからは、
彼に対する友人としての気遣いが、まるで感じられなくなります。

対する炭次郎は、言葉や行動一つ一つを丁寧に追うと、
MOBキャラか主要人物かに関係なく、本当に目の前の一人一人と
しっかり向き合っているのが、よく分かります。

ジャンプは中学時代から20年近く読んでいますが、
同じ友達や仲間という括りでも、

「主人公が、周りの人達とどう接しているのか」
「周りの友人や仲間を、どんな存在だと思い、
 どんな言葉をかけているのか」

という視点で読むと、過去の漫画を読み返している時も、
全く違う漫画を読んでいるようで、めちゃくちゃ面白いんですよ。

私自身も、今年で33歳になりますが、先程挙げたゴン以上に、
周りの友達との関係を大事にしてこなかった人間なので、
最近は漫画を読む度に、人との接し方や関係の続け方について
反省点が腐るほどあり、実質的に懺悔の時間になっています

人と自分を比べずに初志貫徹することの大切さ

丹次郎は、鬼を倒すという同じ目的を持つ
鬼殺隊という組織に所属することになるのですが、
そこには、カナヲという同期メンバーがいます。

入隊試験以降に絡む全ての場面で、常に炭次郎より遥かに強く、
鬼殺隊での立場も、丹次郎が係長や課長代理クラスだとしたら、
カナヲは既に本部長や執行役員クラスの状態です。


しかし、炭次郎はそういったことを全く気にしません。

何故なら、彼が生きる目的は一貫して
「鬼滅辻無惨(悪の親玉)を倒して、妹を人間に戻す」
であり、カナオより立場が上か下か、
実力が上か下かというのは、どうでもいいことだからです。


”鬼は殺すべし”と自分の妹に初見で剣を刺してきた
専務や常務クラスの「柱」と呼ばれる直属の先輩にも

「良い鬼と悪い鬼の区別もつかないなら、
 柱なんて辞めてしまえ!」

と暴言を吐くなど、敬意も忖度もない、
後先を考えないところがあります。

もしこの炭次郎のポジションに
ドラゴンボールに出てくるベジータが居座った場合は、
事ある毎に誇り高きプライドが邪魔をして、
妹そっちのけで修行に明け暮れることでしょう。

「妹?無残? どうでもいいからさっさと俺と戦え!
 貴様と戦い、貴様を倒すことが俺の全てだ!」

「ちくしょう…俺はあんな同期にも勝てないのか!
 誇り高き、日の神神楽の末裔として、
 このままで終わる訳にはいかない!
 修行じゃ修行じゃ!」

…もしこんな調子だったら、全く物語が前に進みません。

そもそも今の時代の空気的に、ドラゴンボールという
「絶対的勝利至上主義を描く漫画」の象徴だった
ベジータに憧れる少年少女は少ないでしょう。

彼の場合は、家族や地球を守ることよりも
完全体となったセルと戦うことを望むような人ですから
それはそれで初志貫徹と言えるのかもしれませんが。

ちなみに、自分の実生活の事例を挙げると、
新卒で入った会社には、150人の同期がいました。

今でこそ、直接何かを比較することに興味は無いですが
入社当時や退社して間もない頃は、誰々が昇進した、
誰々が試験に受かった、結婚した、家を買ったなど
話を聞くたびに、胸がざわついた記憶があります。

皆それぞれ、掲げる目標やゴールは違うのだから、
直接比較することに意味は無いはずなんですけどね。

「お前は何がしたいんだ?」と聞かれた時に
答える目標を決めて、ブレないことの大切さを、
丹次郎とカナオの関係性を見ていて感じます。

柱が恰好良すぎる


鬼滅の刃はアニメから見始めたのですが、
正直、蜘蛛の山編のところまでは、期待値が高すぎて
色眼鏡をかけていたせいか、そこまで面白くありませんでした。

しかし、鬼殺隊のTOPである「柱」が全員集合した辺りから、
漫画もアニメも、物語の面白さが一変します。

皆、第一印象は怖かったり変態だったりと最悪なのですが、
どいつもこいつもカッコよすぎるんですよ。

・面倒見が良い一方で不器用すぎる義勇さん
・言動が何から何まで男前すぎる宇髄さん
・体を張って主人公たちを守り続ける煉獄さん
・善逸と伊之助を言葉巧みに転がすしのぶさん

途中、音柱の宇髄さんが炭次郎含む主要人物3人を連れて
鬼が潜伏する遊郭に潜入するエピソードがあるのですが、
どう見ても上司が新卒3人を連れて出張に行く空気感で、
頼りがいMAXな一連のやりとりが、たまりません。

おそらく、元々は善逸や伊之助を
主要人物にしようと考えていた予定の漫画が、
完全に柱達に持っていかれてるのを感じます。

先日たまたま集英社の本社前を通ってきたのですが、
ビル壁にこれをデカデカと掲示するくらい推す、ドル箱状態なので、
そう簡単に連載を終わらせる訳がないと思うのです。


ですが、もし多少強引に第二部を強引に作ることで
ストーリーが破綻してしまったとしても、柱の皆さんを筆頭に、
キャラ漫画として成り立つポテンシャルを持っているのが、鬼滅の刃です

まとめ

1.主人公がいい奴すぎる
2.主人公の初志貫徹ぶりに惚れる
3.柱が恰好良すぎる

字面だけ見ると、キャラ推し漫画を推す
オタクの感想と変わらないので、もう少し語彙力が欲しいです。

興味のある人は、是非お楽しみください。
個人的には、アニメから入る方がオススメです。

注意点としては、主要人物を容赦なく殺しまくる漫画なので
絶対にWikipediaやネットの考察を最初は読まないでください。