ウーバーイーツの脱税は即逮捕に繋がるのか?過去に刑事事件で逮捕された配達員の事例、税務署や国税が動き出す基準を紹介

ここ数年、ウーバーイーツ配達員の急増や、コロナウイルスの蔓延による飲食デリバリー需要の増加によって、世間の関心やマスコミの報道がかなりウーバーに対して集まってきているのを感じます。

そんな世間の監視の目に対し、配達員側の立場として気になるのは「犯罪を犯して逮捕されてしまう可能性は無いのか?」という点です。

特に脱税に関しては、悪いことを考えている人でなくても、「知識の不足により、知らず知らずの内に脱税をしてしまっていた」という状況になりやすい為、あなたが普通にコツコツ真面目に働く配達員だとしても、必ず最低限の知識と、適切な距離感を知っておく必要があります。

この記事では、そんなウーバー配達員の脱税が実際に逮捕に繋がるのか、という点について解説していきます。

目次

結論:脱税をしても、配達員レベルの収入では逮捕までされる可能性はとても低い

先に結論からお話すると、ウーバーイーツの配達員が稼げる売上/収入の場合、脱税をしても税務署が指摘や調査までしてくる可能性自体が非常に低い為、逮捕をされる可能性もかなり低いと思われます。

事実として、ニュースサイトやネット上の情報を漁っても、交通事故による逮捕の報道はいくつか目に入ってくるものの、脱税が原因で逮捕をされたという報道は、サービス開始から数年経った今まで、まだ一度も見聞きしたことがありません。

背景は以下の記事で詳しく解説していますが、理由の一つは、税務署が費用対効果で動く組織であり、年商年収が高い人、もしくは急激に上昇した人でないと税務調査の標的にならないからです。

記事内容の通り、一般的には年商3000万円前後からという説が有力ですが、情報販売やオンラインサロンのように利益率が極めて高い事業者の場合は年商1000-1500万円代で調査に入られたという話も、古物商の同業者界隈から聞いています。

ハイジ

あくまでも逮捕の標的にされないだけの話であり、脱税をすること自体は普通にアウトなので、誤解の無いようお願いします

そして、もう一つの理由は、脱税が「税務署に指摘されて即アウト、即逮捕される」性質のものでは無いからです。

申告内容の間違いを指摘されてから最終的に逮捕に至るまで、本来は必ず正式な手順を踏む必要があり、間違った申告内容を訂正したり、税務署に対して然るべき真摯な対応をしていれば、向こうもこちらを逮捕をする必要がありません。

つまり、ニュースで報道されるような巨額の脱税事件や逮捕の報道などは、国税側が必要だと判断して行っている、極めて特殊な事例だと考えてください。

脱税を指摘されてから逮捕をされるまでの主な流れ

税務署や国税が、脱税をしている人を逮捕するには、必ず踏まなければならないステップがあります。

1. 税務調査を行う
2. 脱税が疑われる項目を指摘し、証拠となる領収書の提出を促す
3. 脱税と認定した課税所得に対し、本来の税額と、ペナルティとして重加算税・延滞税の支払いを催促する

ここまで全て行った上で「金額が非常に大きい・故意に行ったことが明らかで悪質・税の取り立てが困難」など、拘束する何らかの理由が生まれて初めてやっと逮捕をされる、という流れになります。

また、項目の指摘をするというのも、税務署の基本姿勢としては、事業者や会社の悪事を暴くことではなく、税金の支払いが適切であることを明らかにするという「確認・訂正作業」です。

よって、申告のミスが即逮捕に繋がることはありません。

そして、ウーバーイーツの配達員の脱税の場合、

・年商年収で税務調査のターゲットにされること自体がまず大変
・仮に調査に来ても、実際に脱税をして、その脱税が見つかり、且つ無実を言い張らないと、逮捕する意味が無い

という当たり前のことから、法律を守る最低限の意識と倫理観を持って仕事をやっていれば、ウーバーイーツの配達員が逮捕をされる心配をする必要は、1ミリもありません。

むしろ、税務調査のターゲットになるくらい稼いで申告できるようになったら、配達員の上位0.5%くらいに入っている証拠なので、まずは税務署のお世話になるくらい稼げる状態を目指す方が先だと思います。

もちろん、その為には1日も早くウーバーの配達員を卒業しなければならないのですが。汗

脱税で事業主が逮捕をされる理由と目的

一般的に、脱税が逮捕に至る理由は二つあり、一つは拘束して逃さない為、もう一つは業界全体や同業者に対する警告を与える為です。

最近の有名な事例だと、2006年のライブドア事件の堀江貴文氏、2018年の青汁王子こと三崎氏の逮捕報道が記憶に新しい有名な脱税事件だと思います。

私は両方の事件の脱税の具体的なスキームに関する詳しいことは把握していません。しかし、国税が動いて逮捕に至った狙いは、勢いがあった当時のIT業界全体や若い経営者達に対して、調子に乗るなよと釘を刺したり世間への見せ締めだったのではないかと、私は考えています。

いずれにしても、ウーバーイーツの配達員を逮捕するのは税金の無駄遣いなので、よほどの事情があったり誰かの私怨でも絡まない限り、動くことはありません。税務調査に普段から備え、いざ調査が入ったら申告内容や経費についてしっかり説明と追納をすれば、まず逮捕される余地が無いと思います。

ウーバーイーツの配達員が脱税で捕まる可能性のある、特殊な状況

いずれも可能性は低いですが、万が一ウーバーイーツ配達員が脱税を指摘される可能性があるとしたら、こんな状況が考えられるという状況を、自分が知る範囲・持っている情報を踏まえて3パターン挙げます。

ウーバーイーツが副業で、別の主力事業で数千万円以上の売上がある場合

一つは、主力の事業で大きく稼いでいる為に、副業でウーバー配達員をしているにも関わらず、配達員のレベルを遥かに超えた売上や収入を持っている場合です。

これは言ってみれば、既に十分な資産を持っている人が、社会との接点をかろうじて保つ目的で、あえて給料の安くて比較的楽なコンビニのバイトやテレアポの仕事をパート感覚でやるような道楽・半セミリタイア状態に近いので、かなり珍しいケースだと思います。

ただ、以前私が光通信系列の会社でテレアポをしていた頃のバイト先に、投資で年間数億円の利益を挙げているけど息抜きにテレアポに来ており、スマホゲームに100万円以上課金して遊んでいる、そういう類の若者がいたので、ウーバーの世界にもひょっとしたら、似た珍種のドライバーが紛れ込んでいるかもしれません。

売上ゼロの状況から、翌年の確定申告でいきなり年収1000万円以上へ収入を上げた場合

税務署の判定基準は、その年度の年商/利益だけではなく、前年度からどれだけ数字が上がっているかというのも、税務調査のターゲットにするかどうかの重要なポイントになります。

そして、元々収入ゼロの状態から開始一年で1000万、2000万と稼いだ配達員が今後出たら、税金や申告にも詳しくて調査の対策も完璧!なんてことも珍しいでしょう。

ハイジ

話題に挙がったら、マスコミやネットメディアの報道が黙っていません

私の周囲の個人事業主仲間も、税務調査を実際にされたり、消費税の申告が義務付けられる段階になって、慌てて税金の勉強をし始めたり、税理士に丸投げするまで全く何も知らなかった人が大半です。

そういう駆け出し段階の人に対しては、税務署側も税金をより多く追徴できる可能性が上がる為、同じ規模のビジネスをやっていても、より調査のターゲットになりやすくなるのではないかなと、私は予想しています。

管轄の税務署に通報で「あいつ稼いでいるそうです」という垂れ込みが入る場合

これは実際に管轄の税務署に電話して教えてもらったのですが、税務署には総務課の情報提供窓口という専用の受付があり、一般人からの脱税の匿名の垂れ込みを「怪しい」という段階の話でもいいので、電話で受け付けています。

ちなみに、情報提供をする際、実際に聞かれたのは以下の項目です。

・ターゲットの氏名
・ターゲットの住んでいる住所、もしくは会社の登記簿住所(最悪、建物名だけでも良い)
・ターゲットの年齢と職業
・独身か、既婚者か、子供はいるか
・行っているビジネスの内容
・大体の年間売上高、事業規模
不動産や営業店舗がある場合はその所在地

この辺りを電話でヒアリングしてきて、部署内(総務課)の担当者に伝えてくれるそうです。

実際に調査をする保証は無いですが、無作為に調査をするよりは、アテがあるほど有意義になるケースが多いので、情報提供は積極的に募っており、気になる案件があったらいつでも連絡をください、とのことでした。

事前に想像していたよりも遥かにしっかりとヒアリングをしてくれたので、数千万〜億単位の商売をしている知人や友人が脱税に手を染めてしまった場合は、管轄の税務署に動いて、然るべき手続きを踏んでもらいましょう。

脱税以外の原因で過去に逮捕されたUBER配達員のニュース一覧

犯罪予防の啓蒙も兼ねて、脱税以外の原因でウーバー配達員が逮捕された事例を紹介します。

配達員は脱税よりもこの手の犯罪に手を染める方がまだ現実的で、警察のお世話になるトラブルの火種は色々なところに潜んでいます。注意しましょう。

運んでいた食糧をつまみ食い→窃盗罪で逮捕

えっと、やろうと思えば確かにできる状況だけど、本当にやる人いるのか…?もしそうなら恥ずかしすぎる。

ベトナム人が偽の在留カードを作成→不法滞在で逮捕

参考リンク:【SNSの罠】偽在留カード簡単入手 不法滞在摘発相次ぐ ブローカーが交流サイト悪用

ベトナム人配達員は都内を中心に1万人近く稼働しており、配達員と彼らを束ねる元締めのネットワークも強固らしいので、今後も色々なトラブルが予想されます。何かのきっかけで制裁の巻き添えを受けないよう気をつけたいですね。

夜間に女子高生を強制わいせつ未遂(文春オンライン)

小田急の沿線も治安は悪く無いですが、家賃相場や街の雰囲気から考えると決して同じような事件が起こらないとは言い切れないので、夜に外を出歩く時は警戒しましょう。特に若い女性。

まとめ

・脱税と判断されて逮捕をされるためには税務調査が必ず必要。即逮捕はされない
・ウーバー配達員は、税務調査をしてもらうほどの金額は稼げない
・税務調査の本来の目的は「訂正・確認作業」なので、逮捕に怯えて身構える必要は無い

本当は実際にウーバー絡みで脱税して捕まった人が体験談を語るのが一番説得力があるんですが、とても不名誉なことなので、誰かが第一号の生贄として逮捕され、報道されない限り、今後も机上の話として語られ続けると思います。

それでも、他の商売や業務委託をやっている人と公平なルールで戦うために、税金のルールや逮捕の基準は大切なものなので、最低限のことをしっかり守った上で配達の仕事を頑張りましょう。

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この記事を書いた人

ハイジ/清瀬灰二のアバター ハイジ/清瀬灰二 地元と世界を繋ぐ長男

1986年生まれ。静岡県出身。
新卒入社の大企業→中小企業→個人事業主→破産→日雇い→二度目の起業まで、一通り全部見てきて修羅場を味わった経験を元に、実家暮らし・地域ビジネス・副業・趣味に関する発信を行っています。

横浜DeNAベイスターズ応援歴24年。

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