町内会の役員は、仕事の負荷が大きく、誰もがやりたがるものではありません。
私が現在所属する町内会でも、60代の会長さんが、代わりのなり手がおらず、ここ10年もの間、ずっと役職を引き受けています。
しかし、自分を含めた若い世代の班長は、逆にそれだけ誰もが敬遠する様を見ると、とても気軽に出来る仕事ではないと感じ、かえって気軽に引き受けることはできません。
その一方で、誰もが会長や三役・班長を回避すると、町内会そのものが上手く回っていかなくなったり、若い人が一切関わらなくなるのは目に見えており、何とかしなければいけないという空気は、日々感じています。
この記事では、そんな町内会の役員を、円滑に辞退する方法について解説していきます。
町内会の役員が辞退できない理由
町内会役員の辞退が難しい理由は、結論から言えば、仕事の負担が大きいからです。
・連合町内会への参加
・各種防災訓練のスタッフ参加
・防災訓練の事前事後の打ち合わせ
・福祉協議会への参加
・行政からの連絡や配布物窓口
・公園愛護会の鉢の植え替え
・各班班長さんとの報連相
現在の会長さんとも毎月定例会で顔を合わせ、よく連絡もしますが、現役の仕事をしている世代では作業を十分に消化できず、定年を迎えた世代の人でないと無理ではないかと思います。
専業主婦の方も、一日の大半は家事に費やしたり子供の面倒や送り迎えがあることを考えると、班長をやるのは相当大変だと見受けられます。
よって、なり手がいないと誰もやる人がおらず、それでも行政や周りの関係者にとっては会長がいないと回らない仕事ばかりなので、泣く泣く同じ人が続けるしかありません。
そんな状態を防ぐために、多くの町内会では、役員を同じ人が長期間やることを防ぐため、「くじ引き」「輪番制」などの規約・制度を町内会の会則に盛り込んでいます。
ただ、これもうちの町内会の状況に関しては、円滑に施行されている訳ではなく、結局は制度上で交代制にすると明記されているだけで、最終的には誰かの立候補に頼るしかありません。
自分が初めて班長に選出されて集会室に赴き、20分くらい異様な空気が流れた末に、
・元会長さんが再び続投すること
・副会長と総務の三役に関しては、班長の中から若い人三人を選出してやること
が決まるような流れとなりました。
この記事の目的や趣旨とは違う話なので詳細は割愛しますが、まとめると、町内会の役員を辞退して色々な人に担当してもらうにあたっては、
・役員の仕事=やりたくないもの
・一部の役員さんに頼って当然
という雰囲気を、いかに払拭できるかが鍵となります。
町内会の役員を辞退する方法
町内会の役員は基本的に率先してやりたがる人は、なかなかいませんので、簡単に本人の意向で辞退できてしまうと、その後の運営が非常に難しくなります。
その為、辞める側としても、運営側に対し、正当な理由もしくは言い訳を用意して、その後の運営に極力影響が出ないよう配慮する必要があります。
高齢であることを理由に辞退する
私も次の班長さんに仕事を依頼する時、建物内の様々な入居者を尋ねましたが、階段昇降が難しい、言葉を喋るのが大変な高齢者が単身もしくは老夫婦で住んでいる世帯などには、とてもじゃないけど、仕事は頼めないと思いました。
私は父親も実家の町内会に所属していますが、今年でもう65歳であり、もし自分が同居していたら、町内会からは引退してもらうよう、促すつもりです。
それくらい、高齢で体力が無くなった状態で、町内会で人がこういった重労働を任せられるのは、当然と言えど、
第三者として見ていて、胸が痛くなる空気を感じます。
よって、高齢者にも戦力として協力してもらわないと組織が成り立たない面もありますが、年齢を理由に役員や班長を断るのは、十分に有りだと思います。
親の介護を理由に辞退する
50代以降は、どの家庭も親の介護が付きまといます。親が同居しており、要介護状態の家は、負担が重いです。
遠慮せずに、役員の辞退を申し入れてください。
ただ、この方法を使う際は、当然ですが、介護の詳しい状況を見聞きしてもらったり、病気の概要をしっかり把握してもらう必要があります。
というのも、親や親族一同にも面子というものがあり、地域の行事ひとつまともに出られない状況だということや、息子に世話になっていること、体が満足に動かないことを、本人や周りの人間が、地域の人に知られたく無いというケースもあるからです。
昔から付き合いのある間柄ならともかく、役員が代わる度に、大して仲良くが無い人も含め、町内会の多くの人に知ってもらいたくない場合は慎重に考えなければいけません。
家が町を相手にした事業をやっていたり、家柄が立派な家庭だったら、尚更だと思います。
妊娠中の奥さんが仕事をせざるを得なくなる場合
妊娠中の期間と、役員の任期が重なり、旦那さんが仕事が遅かったり出張中などの理由で役員の仕事を果たすことが困難な場合も、事前に伝えておくことで役員の選ばれる対象から外してもらうよう頼みましょう。
大抵の町内会の仕事は毎月や毎週と定期的に入ってきますし、出産間近になってくると、外を出歩くのも大変です。苦情が回ってくる案件は心労にもなります。
町内会の役員の断り方のポイント
上記の三例は特別な場合で、そういった事情が無くても
・仕事が忙しい
・家事や子育ての負担が大きい
という理由から役員をやりたくない人は多いと思いますが、それは町内会に所属する、ほぼ全ての人が当てはまります。
そんな場合、何とか断るにしても、正当な理由や、相手が納得する断り方を考えたいものです。
私の場合は、最初の数年間に班長や役員の勧誘を断る際、
・債務が大きく、マンションを売る予定がある
・マンションを売りに出しており、住人として一年間の任期が全うできる保証が無い
という背景を話し、書面で最初に説明を受けた際も封筒と便箋を用意し、
「協力したい意志はあるのですが、
〇〇の事情により、参加は致しかねます」
という旨を前任者にしっかりと手紙で返送し、その時は納得して他の人に代わってもらいました。
他の入居者の方と話をした限りでも
・頼まれたその場で即答で断らない(家族と話し合って決める、等)
・申し訳ありませんが…というスタンスで伝える
・妥協案を提案する(班長はやるが、会長や副会長にはなれない 等)
というのが、こちらの言い分を通す交渉のポイントだと、現在は感じています。
まとめ
町内会や自治会の類は、行政がやるべき仕事を押し付けられているようなものなので、やりたくない気持ちは自分もすごく分かります。
ですが、その地区に住んでいる人大半の人がやってる以上、長期間住む、もしくは永住するつもりの場合は、周りと良好な関係を作るための代償として、個人的には役員を辞任せず、受ける前提で腹を括っておいた方がいいと思います。
逆に、既に半年後や一年以内に退去が決まっていたり、周辺の住民との関係がうまく築けなくても問題ないと割り切る覚悟があるなら、入る必要はありません。
自分の中で線引きを行い、それ以上は無駄にあれこれ考えたり、ストレス源として扱うことをせず、日々の活動に専念していきましょう!
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