町内会のNPO法人化について

町内会の中には、NPO団体の申請を通し、
補助金をもらったり、集会所を団体の所有として
不動産登記をしている団体があります。

非営利団体であるNPO団体の概要について
よく分からない人にとっては、

「何の目的でNPO団体にしているのか」
「具体的に、どんなメリットがあるのか」

という点について知らない事も少なくありません。

この記事では、そんな町内会の
NPO団体化について解説していきます。

目次

町内会をNPO法人化するメリット

NPO法人とは、非営利活動を通じて
社会貢献活動を行うことを国に認可された団体です。

町内会をNPO法人にするということは、具体的には

・福祉の増進活動
・まちづくりの推進活動
・地域の振興を図る活動
・災害救援活動
・子供の健全育成活動

など、これまでは町内会の参加メンバーによる
相互扶助で成り立っていた活動を、正式に認可された
団体が主導する活動として行う、という事です。

NPO法人にならなくても非営利活動は可能ですが、
NPO法人になることにより、以下のようなメリットがあります。

町内会の共有財産を法人登記して個人の所有物から外せる

町内会では大半の場合、定例会や総会の拠点にするための
集会所がありますが、法人格でない限り、法人の所有ではなく
個人名で登記をすることしかできません。

すると当然、固定資産税などの費用も
町内会ではなく、持ち主に課税されることになります。

また、登記者が健在であれば問題ないですが、
亡くなってしまった場合、親族の相続の結果によっては
売却や所有権放棄をするしかなくなり、予定外の手続きや
新たな出費が町内会に発生してしまう可能性があります。

社会的信用が高まり、活動の交渉力が上がる

町内会の活動資源は、何よりも住民の人的資源です。

会費や行政の補助金がどんなに詰まれようと、
住民の数や世帯数が減り、労働力が減り続けると
あらゆる活動の継続が困難になっていきます。

NPO法人化をすることは、そういった状況の中で

・外部の法人や行政からの援助を取り付けやすい
・他の町内会や連合行政の慣習に活動を縛られにくい

という点から、リソースを増やしやすかったり、
一方的に無益な仕事を増やし続ける構造から外れて
本当に地域の為に必要な活動に専念することができます。

町内会も活動のリソースを獲得するには、
民間企業と同じく、環境に沿って適応しなければいけませんが、
従来の「住んでいる人に協力してもらう」という形だけでは
これから人口が減り続ける地域では限界があります。

そういった背景からNPO法人化が今、注目されているのです。

相互扶助から課題解決へ、団体の趣旨と意識を向けられる

町内会の場合、相互扶助(互いに助け合う)という点が
前提にあり、負担も公平に分け合う必要があることから、
意思決定や仕組の変更に必ず全員の同意が必要になります。

当然、既存の仕組みを壊したり変えたりするために
既に大きな権力を持つ人や、長年在籍の高齢者の方々を
説得する度に、エネルギーを使わなければいけません。

ですが、NPO団体の場合、組織の形も意思決定の形も
自由に組み替えることができるので、民間企業と同じように
フットワークの軽い、活動のしやすい団体にしやすくなります。

実際にNPO団体で法人化を果たした事例

NPO法人 小杉駅周辺エリアマネジメント(神奈川県中原区)

設立時期:
2008年

活動内容:
高層マンションが次々と建設されて様相が変わり続ける
武蔵小杉駅周辺の新旧の住民が相互に協力する
コミュニティを運営する活動を行っています。

従来の町内会で行っている活動をカバーしつつ、
地域の祭りを復活したり、時代やコミュニティの
ニーズに合った活動にカスタマイズをしています。

NPO法人たすけ合いネット(埼玉県上尾市 尾山台団地自治会)

設立時期:
2006年1月

活動内容:
通院や買い物の付き添い等の在宅支援活動

概要:
入会金500円、年会費500円を払えば、1時間300円の会費で力仕事や
遠方への買い物などのサポートが受けられる。
差額は県の補助金や寄付金で賄う形式。

これら以外にも、全国各地で、町内会の活動に加えて、
農産物の生産環境の保護、高齢者支援に特化した活動など
各自治体の現状に沿った活動を行っている町内会は
NPO法人化をした上で運営をされています。

まとめ

私が考える、町内会の課題解決における
NPO法人の立ち位置は

・あくまでも、町内会とは別団体として設立する
・自治会の活動は、人口低下と共にダウンサイジングしていき、
本当に必要な活動のみをNPO法人が、最適化した形で引き継ぐ

という形式が、将来的にメリットが大きいと考えます。

実際に町内会の活動の中枢まで踏み込んだことや
関連するNPO団体に所属したことが無く、理想論ではありますが、

町内会や町の移り変わりを見聞きする中で、現状の仕組みでは
明らかに限界が近付いているので、少しでも早い段階で
NPO団体を初めとした、自治会の再編が必要です。

私も、将来的には実家に戻り、自分が価値提供をできる分野で
地域の課題解決に関わりたいと思っていますので、
その為に必要な力をつけていきたいと思います。

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この記事を書いた人

ハイジ/清瀬灰二のアバター ハイジ/清瀬灰二 地元と世界を繋ぐ長男

1986年生まれ。静岡県出身。
新卒入社の大企業→中小企業→個人事業主→破産→日雇い→二度目の起業まで、一通り全部見てきて修羅場を味わった経験を元に、実家暮らし・地域ビジネス・副業・趣味に関する発信を行っています。

横浜DeNAベイスターズ応援歴24年。

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