町内会の募金の強制について

町内会では、年間を通して
歳末助け合い募金・赤い羽根募金などが
会員に対して募集の呼びかけをされています。

しかし、募金が実質的に強制状態だったり、
口頭で明確に募金を募る形式であることも多く、
不満を持つ人も少なくありません。

この記事では、そんな町内会の募金が
強制されることの是非について、解説していきます。

目次

町内会への募金は強制なのか?

結論から言うと、募金は任意です。

ですが、町内会には毎年日本赤十字奉仕団という
全都道府県に支部があるボランティア組織から
資金を募る連絡が届き、これが強制の大きな要因です。

「地域に根差した活動」を謳う団体である以上、
彼らは全自治体や町内会をパイプ役と考えています。

募金は任意で行われるべきものですが、
強制か任意かを問われたら、どれくらいの住人が
募金をしてくれるか、金額を投じてくれるかは
全く予測がつきません。

町内会自体の意義が問われている昨今、
私個人としては、払わない人の方が多いと思いますし、
私も町内会を通じた募金に協力した事はありません。

しかし、全ての町内会が同じ認識をしている為、
自分たちの町内会だけが全く協力をしなかったり
世帯数に対して明らかに募金額が少ない場合、周囲から
非協力的だと思われたり、面子の問題もあるでしょう。

事実、日本赤十字社は、毎回の活動報告から、
「この地区の町内会は〇〇円の募金をした」
という実績を開示しています。

その一方で、改めて念頭に置いて頂きたいのは、
あくまでも募金は町内会の善意に基いた
任意活動で、集金の義務強制は無いということです。

事実、町内会による募金の強制と一括納入は
最高裁の裁判で違法だと判決が出ています。

・募金の一括納入を訴えられた事例
(滋賀県甲賀市自治会敗訴)
http://blog.goo.ne.jp/eszxc123/e/03d84e7a08ecca3d533413db4b68f62c

・募金の強要を訴えられた事例
(佐賀県鳥栖市の自治会敗訴)
http://blog.goo.ne.jp/eszxc123/e/3b3ee79459d683a6a3de62ffb5096eb2

町内会への募金が強制/半強制になる背景

県や市区町村からの徴収圧力がかかっている

募金を迫ってくる諸団体のことを調べていくと、
構造的に天下り先の団体の資金源になっている事が
分かります。

依頼先/連合町内会からも、任意であるとはいえ
強制的な圧力をかけて徴収金額を集めれば集めるほど
集金は増えるし、市町村の貢献者は天下り先に行ける
という構造になっています。

そういった循環の仕組みが、
募金の強制力に伯爵をかけています。

役員や担当者の負荷を軽減する為

町内会の集金では、未だに直接各世帯を回って
会費を集金しているところも、かなり多いです。

理由は、町内会の大半を占める高齢者、
60代や70代の人の中には、インターネットで
銀行振込をする文化が全く無かったり、
メールやパソコンすら使ったことが無い人が
まだまだたくさんいるからなんです。

特に地方の小さな集落ほど、そういう傾向にあります。

実際、たった100世帯程度の町内会や自治会でも、
手分けして一軒一軒訪問し、留守だった場合には
電話や置手紙を置くことを淡々と繰り返すのは、
想像しているよりも遥かに大変です。
(宅配便業者の人とか、本当に凄いなと正直思います)

もし、募金の協力を、役員や班長が月一で集まる日に
会うメンバー以外、住人全員から集めようとしたら、
集金の労力が丸々二倍になります。

そうなると、正直、会費から強制的に引いてしまったり
仕事が増える前に町内会日から定額を投じてしまった方が
どう考えてもコスパが良いという判断になります。

募金の趣旨や意義からは完全に逸脱してしまいますが、
ただでさえ現状でも仕事が増え続け、人手が減り続ける中、

まとめ

募金が強制的に徴収されたり
支払わざるを得ない状況であることは筋が通りませんが、
私が思うに、諸悪の根源は、長年続く制度や仕組みの破綻です。

地域に根差して報酬無しのボランティア活動で互いに協力し、
困ったところには募金や労働力を提供する形は、戦後の日本に
最も適した地域社会の仕組みだったかもしれません。

ですが、現代は、生活に必要なものは誰でも手に入り、
地域との協力を密にしなくても人が生きていける社会です。

募金も、地域とのパイプで強引に集めるのではなく、
クラウドファンディングなど、人の自由意思により
世界中の個人から集める方が、中抜きも少ないです。

赤十字、緑の羽募金、赤い羽根募金は
全てが市町村幹部クラスの天下り先となっており、
住人の募金がその資金源となっています。

私としては、町内会の強制的な募金に関しては
その土地に住む上での諸経費と割り切ってしまい、

募金制度そのものを変えていきたいのであれば、
自分が班長や役員に任命される年が回ってきた時に
その制度や規約に働きかけ、

・募金の強制徴収を廃止する
・より納得の行く納付先に変更する
・募金を任意に、銀行振込形式にする

こういったことを実現していきたいと思います。

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この記事を書いた人

ハイジ/清瀬灰二のアバター ハイジ/清瀬灰二 地元と世界を繋ぐ長男

1986年生まれ。静岡県出身。
新卒入社の大企業→中小企業→個人事業主→破産→日雇い→二度目の起業まで、一通り全部見てきて修羅場を味わった経験を元に、実家暮らし・地域ビジネス・副業・趣味に関する発信を行っています。

横浜DeNAベイスターズ応援歴24年。

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