町内会の問題点とは?解決策とこれからの町内会の在り方

戦後の隣組の時代から、長く日本の地方自治や
行政を支えてきた町内会の在り方・問題点が問われています。

かつては、八百屋、床屋、菓子屋、肉屋に家電屋と、
日常のあらゆるサービスが街の商店街で解決しており、
地域の人々全員が互いに欠かせないもの、助け合いを
前提とした社会が広がっていました。

しかし、今ではコンビニやネット販売、都心部では
マンションなどによる隣人関係の希薄化が進み、
町内会も、果たして必要なのか、活動に意味はあるのかと
疑問を感じる世間の声が、日増しに強くなっています。

この記事では、そんな町内会が抱える
問題点の数々や、その解決策について解説していきます。

目次

町内会の抱える現在の問題点

加入率が低下している

「新規加入者がそもそも少ない」
「若い世代が関心を持たない」
「子育てを終えた世代が脱退する」

などの理由から、自治体によっては50%近くまで、
極端に加入率が下がっている自治体があります。

任意の組織ではありますが、
地域を代表する組織であることのそもそもの意義が
加入率が下がるほど薄れてしまい、問題になります。

役員のなり手が減ってきている

少子高齢化と過疎化に伴い、二世帯住宅は減少し、
若い人は都市部に流れ、役員をそれまで務めていた
地域の有力者も、一人また一人と退陣していきます。

すると、役員のなり手が減って、任される周期が増える、
様々な役割を兼務することが増えていきます。

単純に、一人あたりの負担が増えますし、
会長や役員を含めて少人数で構成される組織においては、
町の重要な決定が、少人数の意志によって
左右されるような歪な状態になります。

負担軽減の為、活動を減少せざるを得ない

役員や会員が減り、なり手の候補である若い人も
居なくなると、町内会の会員全体が減っていき、

・定例会が月に一度から隔月に変更される
・地域の祭りの規模や回数が減少する

などの減少が起こります。

私の両親も共に還暦を超えましたが、先日も
町内会から、65歳を超えた父親に平気で
深夜0時の神前行事の呼び出しがありました。

この年代のメンバーに、体力が必要な行事や
活動の参加を頼まざるを得ないことを垣間見ると、
相当深刻な未来が待つことを感じてしまいます。

町内会で起きている問題の原因

町内会に行政が求める仕事が増え、多様化している

元々町内会は、清掃やごみ収集、街灯や掲示物管理、
イベント運営や回覧板を回す仕事が中心の団体でした。

ですが、少子高齢化に伴い、高齢者対策や
地域の見守りやパトロールが求められてきました。

恐らく今後も、世の中の課題が増えるにつれて、
町内会が新たな役割を担うことを期待され、
負荷を多方面で求められるのは確実だと思います。

世帯数が減少し、個人化が進んでいる

昔は二世帯住宅や、長男が実家を継いで
代々町内会に携わる伝統ある家庭が多かったですが、
最近は住む場所を変える単世帯の家族が当たり前になり
町内会への帰属意識が薄い人も増えてきています。

一世帯あたりの生活負担が上がっている

今や、社会人の半数近くが非正規雇用です。
昔のように、誰もが結婚して家庭を持つのが
当たり前ではなくなり、仮に結婚して家庭を持っても
共働きを前提に考えるなど、家計は厳しい世帯も多い。

必然的に、僕らには町内会に積極的に関わる
金銭的・肉体的・精神的余裕の全てがありません。

町内会を盛り上げて協力するための余力があるなら、
自分たちの生活をそれ以上に守りたいのが本音です。

町内会の繋がりに頼らなくても情報が取れる

今は昔と違い、インターネットで地域の情報や
子育てに関する情報などを自分で探すことができ、
町内会に頼らなくても生活に支障は出ないことが
町内会に入らないという選択の後押しになっています。

町内会のこれからの在り方

町内会や地域の枠を超えたコミュニティを作る

町内会の班長や役員の負荷が大きい一番の原因は、
交通安全、美化、保険、高齢者問題、地域の祭りなど
あらゆる分野毎に組織を作って役員を配置して、
組織や仕組み的に活動をしている点です。

こうなると、一組織毎に予算が割り振られ、
どんなに些細な仕事でもそれぞれ出席をしたり
細かい人的負荷が積み重なるので、地方にいる人は
どうしても負担が重くなってしまいます。

なので、町内会同士を単に合併するのではなく、
地域のあらゆる課題を世代や立場を超えて協力し合える
大きな地域コミュニティを作ることが理想です。

その中から、予防医学や音楽のサークル活動に
協力できる人を募ったり、普段地域の活動に
参加できない会社員の人達を巻き込む団体に
育てていくことが求められます。

そうすれば、負荷を軽減し、地域に山積みになっている
さまざまな課題を、縦割りではなく、何かのイベントの
副次的効果によって解決していくアプローチが取れます。

まとめ

私は、町内会は一度入ってみることをお勧めします。

インターネット上の情報は、あくまでも他人の意見であり、
自分で入らないと、問題を本当の意味で知る事や
自分の意見を持つことには繋がらないからです。

どうしても最初はデメリットばかりが目に付きますが、
当然、町内会に入っている事によるメリットもあり、
それを踏まえた上で、継続を判断した方がいいです。

ただ、役員…特に会長だけは安易に引き受けると
確実に後悔するレベルの仕事量なので、最初の段階で
ここだけは軽々しく引かないよう、保険はかけましょう。

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この記事を書いた人

ハイジ/清瀬灰二のアバター ハイジ/清瀬灰二 地元と世界を繋ぐ長男

1986年生まれ。静岡県出身。
新卒入社の大企業→中小企業→個人事業主→破産→日雇い→二度目の起業まで、一通り全部見てきて修羅場を味わった経験を元に、実家暮らし・地域ビジネス・副業・趣味に関する発信を行っています。

横浜DeNAベイスターズ応援歴24年。

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