実家が空き家になったり、相続の対象に挙がった時、
多くのケースで、売却をするか、賃貸をして貸すか、
それ以外の方法を選ぶかという選択を迫られます。
しかし、売却も賃貸も、選ぶ状況になった場合、
家の主としてどちらもやった経験が無く、何を基準に
決めれば良いか分からない人も少なくはありません。
この記事では、そんな実家の
売却と賃貸について解説していきます。
実家を売却する場合
メリット
管理が楽になる
空き家は、管理者が最寄りの地域にいて通わないと
換気が行えず、雨漏りも発見したり対処できない為、
他の理由も相まって、家の劣化が急速に進行します。
祖父母世代が庭を持っていて、色々な植物を
育てていた家だと、雑草を除去する管理も大変で
その為に全ての植物を抜いてしまう家庭もあります。
売却が成立すれば、それ以降の管理は必要なくなり、
仮に月に一度や二度の30分の管理作業であっても、
無くなるだけで非常に大きなメリットになります。
固定支出が減る
土地建物にかかる固定資産税や、
設備のメンテナンスにかかる費用が無くなります。
実家を賃貸に出す場合
メリット
家賃を回収して修繕に回したりローン返済に充てられる
多くの家庭が、住宅ローンを使って実家を建築する為、
家賃収入を得ることで、返済の家計負担を減らせます。
また、定期的に家のキッチンや水道管周り、エアコンなど
各種設備を交換する費用がかかりますが、それらも
家賃を貯めておくことで、安心して対応が可能です。
住宅ローン金利や固定資産税が経費計上できる
あなたがサラリーマンだったとしても、
不動産を賃貸に回すと、事業をしていることになるので
・住宅ローンの金利分の支払い金額
・固定資産税
・管理費
・修繕積立金
・壊れた家具代やメンテナンス費用
これら全てを、経費として計上でき、
税金を安く抑えることができます。
特に、水道管や風呂場の工事など、
大規模な出費になった時は、利益が相殺されて
源泉徴収で会社が天引きして払った税金が
丸々戻ってくる可能性もあります。
デメリット
固定資産税、修繕管理費がかかる
賃貸に出している間も、これらの固定費はかかります。
空き家で放置している際も劣化は進みますが、
エアコンや給湯器は、毎日使えば使うほど
当然劣化はより早くなりますし、水道管周りも
使い続けていけば、劣化していつかは壊れます。
人の入退去のタイミングで比較的大きな金が動く
基本的に、第三者に貸し出すタイミングと
入居者が退去したタイミングでは、
ルームクリーニングが必須になり、一軒家だと
平均して5万~10万程度かかることが多いです。
十分に取れない汚れが残る場合は、
壁のタイルや、床のフローリングの張替えを
しないと、いかにも中古ですという状態で
募集をかけなければいけなくなります。
また、エアコンや給湯器が壊れた、
トイレの便器の機構が壊れたなどの場合、
故意に壊されない限りは、修繕費用は全て
大家であるオーナー様が負担することになります。
賃貸で実家を人に貸す場合、
こういった不定期の出費になるリスクを
常に抱えることになる覚悟が必要です。
実家の売却と賃貸以外の管理方法
住み続ける
相続をした実家に住み続けるメリットは、
相続税が軽減される特例があることです。
配偶者の場合は、亡くなった被相続人の
財産形成に貢献したことや、その後の生活のへの配慮から
法定相続分 または 課税価格1億6千万円までの財産は
相続しても相続性が課税されないようになっています。
また、配偶者以外の親族の場合でも、
被相続人と同居していた親族が相続を受けて
引き続き住み続ける場合は、
その実家の建物と土地に対して、330m2までは
課税時の評価額を80%減額することができます。
まとめ
実家が空き家の場合、
賃貸も売却もしないデメリットとしては、
固定資産税や修繕費用がかかり続けるという点です。
仮に今住んでいる自宅と実家に距離があると、
通うまでの交通費や移動負担もかかります。
なので、もし今後家に住み続ける可能性が薄い場合は、
・実家を売却した場合、どのくらいになるのか?
(市場価格に加えて、2~3カ月以内に売る前提の価格も
見積もりとして出してもらうことをお勧めします)
・賃貸の場合、その地域や建物の広さ、築年数や
各種条件に需要があるか、貸し出す前にリフォームは
いくらくらいの負担になるのか
などに関して、どのように処理するかも含め、
最寄りの不動産業者に相談することをお勧めします。
ちなみに、親が亡くなったことによる相続の場合、
専門家が相談を受けて介入する大半のケースで、
実家を売却して兄弟で得たお金をそのまま
分割することを選ばれることが多いそうです。
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