本せどりは、他のせどりの手法と比べて
・商品単価が安く、薄利多売である
・商品の体積あたりの重量が非常に重い
・在庫回転が全ジャンルの中で最も早い
など、様々な違いがありますが、
メリットデメリットがそれぞれ存在し、
在庫数の考え方も非常に重要になります。
どれくらいの在庫数を抱えれば、
どのくらい稼げるかもある程度見込みが立つので
適切な量の在庫数を抱える必要があります。
どれくらいの在庫を仕入れれば稼げるのか?
自己発送の場合
自己発送の場合、とにかく薄利多売なので
いかに販売数を稼げるかが、利益に直結します。
私の仕入れ基準を順守して頂く場合、
月50万の水準で稼ぎたい場合は、
在庫は2000冊~2500冊あるのが最も理想です。
一ヶ月の仕入れ稼働日16日間で全開でやると
大体この在庫数と同じ数を仕入れ、同じ数が
丸々売れて在庫がほぼ一巡します。
すると、在庫数は同じでも、短期で売れて
利益が少ないものが優先して売れ、利益が大きく
すぐには売れないものが在庫として増え続け、
長期間やればやるほど、利益構造が安定します。
FBAの場合
FBAの場合は、一ヶ月で狙う利益が50万円の場合、
利益が500円なら1000冊、1000円なら500冊必要なので
少なくとも、それ以上の在庫数は必要になります。
月の稼働日が16日なら、少なくとも一日あたり
30~60冊は仕入れが必要であり、一日に複数店舗
回るとして、1時間あたり5冊や10冊ほどは
仕入れ対象を軽々と見つけられるかが問われます。
FBAで本せどりをやる際のメリットとしては、
セット本も同じ仕入れ対象として扱えること、
目利きが鍛えられるほど効率が上がることです。
また、商品回転速度が下がることに耐えられたり
資金にある程度余裕があれば、CDやDVDも
同時に仕入れることを選択肢に含められます。
難易度は上がりますが、自己発送の薄利多売に比べ
確実にライバルは減るので、極めれば極めるほど
仕入れが楽になります。
組織化して行う場合
専業自己配送でやる場合、在庫数という点だけで見ると
4000冊を超えたあたりで、体力と時間的な限界が来ます。
起きてる間24時間、ずっと本せどりをやっていると、
永久に自分の人生を楽しむ時間と環境が手に入りません。
最初は楽しいかもしれませんが、元々何かしらの
金を稼ぐ動機があってせどりを始めたはずなので、
せどりに専念して残りの寿命が減ることを考えると、
一日も早く、この状況は抜け出さないといけません。
組織化する場合、梱包発送をバイトで外注するか、
単純に仕入れスタッフを増員するかのどちらかですが、
理論上、一人増えるにつき、数千冊ずつ扱える在庫も
増えていくことになります。
具体的な例としては、本のネット販売の最大手、
バリューブックスさんの創業者の場合、創業時点で
3人の友人を集め、全員でせどりをやっていたそうです。
それで月間販売数8000冊ですから、
これは一般的な本せどりの実践者のやっていることが
マンパワー的に、適切な作業量であることも伺えます。
ですが、私個人としては、よほど本を売ること自体が
好きでない限り、本せどりの組織化と拡大は勧めません。
最大の理由は、利益が出る構造の一番根幹の部分が
Amazonの手数料と郵便局のゆうメール発送料に
依存しており、ある日突然、商売として
成立しなくなるリスクが非常に大きいからです。
仮に4000冊売るとして、手数料が10円上がるだけで
一ヶ月の利益が4万円減ることになります。
これがもし一人でやる個人事業であれば、何かあった際に
全ての在庫を損切りし、各種サービスを解約して
速攻で撤退することが可能ですが、
二人や三人、10人20人と組織を拡大したり
正社員を雇用した場合、その全員の収入や生活の
首根っこを、Amazonや郵便局に掴まされることになります。
それは果たして、ビジネスと言えるのでしょうか?
僕には、単なる株式会社Amazonの下請け社員としか思えません。
このまま続けていても一定の収入にはなると思いましたが、
昨年末にその構造に気付き、手遅れになる前に商売を畳んで
新しいビジネスを始めることにしました。
このブログの執筆活動も、その一環です。
環境も信念も人それぞれの為、私の今までやってきた事が
本せどりをやっている人に少しでも役に立てばと思う一方で、
正直、より高い目標を掲げている人、もっと稼ぎたい人には
本せどりはさっさと辞めた方がいいと思い、それを伝える為に
あえて大量の本せどりの記事を書かせてもらっています。
どのくらいの速度で在庫を回転させるのか?
自己発送・FBAのいずれの場合も、
理想は2週間以内、遅くとも一ヶ月以内には
投下した在庫の8割を売り切るのがお勧めです。
理由は、Amazonの売上の振込周期が2週間単位の為、
投下資金を1ヶ月で回収する為の代金に充てられる売上は
最初の2週間のうちに挙げてしまうのが一番理想だからです。
分かりやすく言うと、投下資金を一ヶ月で回収する見込みで
商品を仕入れ、実際に売るのに3週間や1ヶ月かかった場合、
実際に振り込まれるのは、1カ月+数日後という事。
100万円仕入れて、150万円売上が出たとしても、
そのうち80万円が2週間後、70万円が4週間後の振込の場合、
20万円の負債を、最後の数日で埋め合わせなければいけません。
預金やキャッシングやリボ払いで辻褄を合わせても、
それが半年や一年かけて積み重なると、いつの間にか
自覚の無い、数百万円の借金を抱えている事に繋がります。
「利益は上がっているはずなのに、何故?」
そもそも皆、借金をしているという自覚がありません。
一生懸命、商売をしていると思っているんです。
その状態では、一生懸命朝から晩まで働いても
無駄に年齢を重ね、再起不能な状態になります。
30歳を超えて廃業した場合、まともな就職は無理です。
40歳を超えると、体力が落ち続け、何か差別化要素や
スキルが何も無いと、若い人には一生勝てなくなります。
事実、こうして何が原因なのか分からずに多額の借金を抱え、
せどりから退場していく人は後を絶ちません。
なので、本せどりだけでなく、何かしらの分野で
転売を実践している人は、在庫が増え続けたり
売上の代金を払えない状態は、相当ヤバいと思ってください。
少なくとも、本せどりに関して言えば、2週間以内に
仕入れ代金は全て回収し、残りの売上で利益を確保する。
それを意識するだけでも、在庫管理はかなり改善されます。
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