本せどりの検品とクレーム対応の、重要ポイント

本せどりは、単価が低く、単価が元々高い
家電ほどの過剰品質を求められることはありません。

しかし、本を安く買おうとする人達なので
本が安くなればなるほど、高額な商品に比べて
クレームを入れてくる確率は上がります。

個別対応も積もると時間がかかるため、
いかに検品を的確に素早く行い、
クレームを防止できるかで、稼働時間が左右され、
売上利益の大きさに響いてきます。

今回の記事では、そんな本せどりの
検品作業について、解説していこうと思います。

目次

何故検品が重要なのか

本せどりで検品が重要な一番の理由は、
クレーム対応に時間と手間を割くことに繋がり、
利益に直結する作業に割く時間が無くなるからです。

私は全盛期は一日70~80件ほどの注文を受け、
都度出荷していましたが、大体1日に1件ほどの周期で
何かしらの購入者からの連絡が来ていました。

半分近くは、キャンセル依頼でしたが、
「書き込みがある」という声を筆頭に
品質に関するクレームや小言が多かったです。

可能な限り最大限の対策を全てした上でこれなので、
もし検品に気を遣っていない場合、一日に何件も
メッセージの対応をすることになります。

定型文を使えない問い合わせの場合、
メールを返信するだけで15分30分かかるのもザラなので、
それが一ヶ月積み重なると、かなりの時間になります。

その為、いかに的確に検品を行い、クレームを
限界まで減らせるかは、大きく稼いでいくなら
必ず検討すべきポイントになります。

検品作業の流れとコツ

ブックオフで購入した本の場合

ブックオフは、一度販売用に店に持ち込まれた時点で
店員さんの目視による検品が入る為、ひと目で分かる汚れや
明確な不良個所を持つ商品は、最初から販売されません。

しかし、書き込みや線引きの有無に関しては、
見つけるのが大変な為、どうしても店員の検品を
パスした状態で、普通に販売されている時があります。

特に、勉強に関する本、小学生や中学生向けの
練習問題や参考書系、大学の赤本などは要注意です。

その為、本は買ってカゴに入れる前に、
一度サーっと中身を自分で見て、あまりに酷いなら
仕入れを控えるようにしましょう。

何をもって「NG」とするかは本によりますが、
あなたがページを開いて「自分が客だったら買いたくない」と
率直に感じた量や箇所の書き込みであれば、仮にそれをAmazonで
自分が同じように売ったとしても、クレームになる可能性が高いです。

私も、あまりに酷いと思う量や箇所の書き込みがあった場合は、
どんなに利益が見込めても、仕入れをしないようにしています。

また、線引きが軽微で許容できるものだったとしても、
通常より値下がりがする可能性も高く、本来の販売ランキングよりも
数段回転が落ちるということも念頭に入れて仕入れをしましょう。

リサイクルショップで購入した本の場合

本をブックオフ以外で大量に仕入れができる可能性が高いのは、
県営や私営のリサイクルショップに持ち込まれて
販売されている本です。

こちらは、ブックオフのような全国一律の検品手順が無い為、
ろくに検品もされていない状態で陳列されている可能性が高いです。

線引きはもちろんですが、リサイクルショップの場合、
表面がヤケていたり、半年一年陳列棚に放置されていて
ホコリや汚れが乗っていることがあるので注意です。

綺麗にする時は、Zippoオイルなどをティッシュに含ませて、
表面を軽く拭いて綺麗にしてから出品をしましょう。

また、ページにキズや折れ跡が付いている本を
普通に売り物として置いている店もあるので、
これは客としては買いたいと思わないな…という点が
無いかどうかも、買う前に必ず確認するようにしましょう。

検品をするタイミング

検品は、出荷前ではなく、
Amazonへの商品登録前に行っておきましょう。

理由は、本せどりの全行程に言える話ですが、
一つの工程を、一度に大量に行えば行うほど
作業が効率化され、利益に繋がるからです。

仮に200冊の本を売るとして、登録前なら
200冊を一気に検品し、説明文への記載ができますが
売れた後の検品では、一冊一冊に対して検品を始めたり
辞めたりと作業を切り替えるコストが掛かってくるので
効率が悪くなります。

これは仕入れや梱包発送など、全てに言えることなので
必ず念頭に置いて仕事をするようにしましょう。

私が本せどりを副業に向かないと言う理由もこれです。
稼げる金額に対して、かかる作業工数や切替が非常に多く、
膨大な時間を専業レベルで投下しないと割に合わないからです。

クレームを防止する為の対策

上記の点を厳守すれば、クレームに相当する本を
未然に仕入れる可能性は大幅に減らすことができますが、
それでも、客の主観によりクレームは一定確率で来ます。

その上でクレームを減らすために最大限配慮することは、
同じ本を販売するにしても、お客さんの期待値を
あらかじめ下げておき、期待を良い意味で裏切る可能性を
可能な限り上げる仕組みにすることです。

私の場合は、師匠から教わったのですが、
どんなに綺麗な本であっても、販売する本には必ず
以下のように商品説明文を記載していました。


カバーに使用感(ヨレ、スレ、傷等)あり。中身は書き込み、ヨレ、汚れない状態です。万が一購読等に支障をきたすようなことがありました場合、アマゾンの規定に従いカスタマーサポートを通して適宜誠実に対応させていただきます。

これをしっかり読んだ上で購入をする人は、
「まあ、最悪読めればいいか」
という程度の気持ちで購入をしてくれるので、
いざ綺麗な本が手元に届いた時、かなり感動してくれます。

また、しっかり読まずに購入する人も多いですが、
いざクレーム対応をしようと考えた時に、
Amazonのコンディションガイドラインに
抵触しているとは一切書いていないと言い訳ができる為、
その言い分を主張する為にも、これを書いておくと便利です。

よほどのクレーム気質なモンスター顧客でない限り、
クレームを入れる前には、商品説明文と
概要の乖離を目視で確認してくる為、これくらい
控え目に書いておいた方が、結果的にクレームは抑えられます。

また、同様の理由から、
「書き込み」「線引き」「紙折れ」「シミ」
「斑点状の汚れ」などに関しても、
多少大げさに盛って書いておいた方が、
クレームをしてやろうという選択肢を持ったまま
購入してくれる客を未然に弾ける可能性が高くなります。

いずれも、Evernoteやエクセルなどに定型文を全て保存しておき、
本の状態に合わせて一瞬で本文を完成できるようにして
仕事の時短を進めておくのもポイントです。

それでもクレームが来てしまったら

ここまで配慮をしても、クレームをする客に遭遇してしまったら
運が悪かったとしか言えません。潔く顧客対応に移りましょう。

また、線引きや書き込みに関しては、どんなに頑張って検品しても
人間の目視では、どうしても漏れるケースが出てきます。
クレームを完全にゼロにするのは、本せどりは無理だと思ってください。

クレーム対応をする上で、ポイントは大きく三つです。

絶対に反論しない。100%こちらの責任と言い切って謝る

Amazonのカスタマーセンター経由で届く
客のクレームの中には、こちらに一切の非が無いケースも多いです。

・ゴールデンウィークなど、Amazonのシステム上では
 平日扱いにも関わらず、郵便局が休日の為、配送期限内に
 お客様宛に荷物が届かず、クレームが届く

・郵便局が荷物を紛失したが、クレームが販売者側に届く

・検品で何も問題が無かったのは多分間違いないけど
 何故か「書き込みがある」とクレームが届く

・一般的な基準やこちらの検品基準などお構いなしで
 お客様の主観により「品質が悪い」とクレームが届く

こういったメールでも、絶対に守った方がいいのは、
「絶対にお客様に反論せず、即刻謝る」という点です。

何故かというと、販売者にメールを送る時点で、お客様は
相当頭に血が登っており、少しでも愚痴や反論めいた事を言うと
それ以降のやりとりが泥沼化してしまうからです。

すると、最終的にやりとりで相手を打ち負かしたとしても、
その間ずっと、精神を擦り減らし続けることになります。

なので、理不尽を指摘して言い返したい気持ちをグッとこらえ、
「ご不安な気持ちにさせてしまい、申し訳ありません」
「全て弊店の責任です、すいませんでした」
と、第一声から、こちらから謝るようにしてください。

正直、仕入れや梱包発送よりも、エネルギーの消耗が大きく、
売る商品の数を増やすことのネックの一つでもあります。

商品を返送される前の時点で、代金と送料を全額返金する

そして、上記の謝罪に加え、代金と送料は、本来の手続き上では
Amazonから荷物を返送されたことを確認してからお金を返金するのが、
本来のAmazon上での業務フローとなっています。

しかし、私の経験上、是非やった方がいいのは、
クレームに対して謝罪のメールを送った後にはすぐ、
負担して頂いている商品代金と送料を、即、全額返金してしまうことです。

何故かというと、こちらは謝罪をして問題が解決しても、
購入者側の気持ちとしては、商品が届いてお金が振り込まれるまでの間、
本当に大丈夫かという不安もあるし、本当にお金が返ってくるのか
ずっと心配をしていなければならないからです。

仮に注文をキャンセルしたり返金をしたとしても
取引に対して購入者が出品者を評価する権利は常にある為、
返金を先延ばしにすることで、悪評価を受ける可能性は
心象を悪くすれば悪くするほど、上がります。

また、実際に返送をしてもらう場合、送料は着払いで
こちらが支払うことになるのですが、購入者が配送手段に疎く、
ゆうメールなどの安い配送方法を知らない可能性があります。

その為、仮に200円や300円の本を売って返金返品される場合、
600円や1000円近い宅配便やゆうパックで本を返送してきて
返金+送料丸々追加で支払うという形になるケースは
結構高いです。

(僕の経験上では、返送で送られてくる本の内、
全体の約半分くらいがゆうパックか宅配便です)

その為、返品返金を促すクレーム対応の返送メールでは、
1000円を超えるような本で無い限りは、

「お手間をかけさせるのは申し訳ありませんので、
 本を返送して頂く必要はありません」

という、相手の都合を考えるという言い分を添えて
本を返送してもらうこと自体を拒否した方がいいです。

返品返金単体では赤字になりますが、その後の手続き工数と
リスクと評価への影響を考えると、この方が全体を通じて
確実にプラスになります。

とにかく、一番まずいのは、顧客の怒りや不安が静まらず
メールのやりとりが収まらなくなることです。
仕事が一切手につかなくなるので、必ず防止しましょう。

上記のことを全部やれば、最小限の被害で済みますので
必ずやるようにすることをお勧めします。

私が使っていた基本の返答テンプレは、以下の通りです。


山田様

お世話になっております。〇〇代表の清瀬です。
弊店の確認不足でご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。

弊店ポリシーとして、商品自体のコンディション表記と
現物の相違にあたり、販売側起因の一方的な問題がある商品の為、
全額返金対応をさせて頂きます。
(お手数をかけてしまう為、商品の返送の必要はありません)

今後、〜様から別商品を再び弊店から購入して頂く機会があった際、
今回と同じ事を起こさぬよう、再発防止に努めていきたいと思います。

商品が注文してから到着するまでの待ち時間や、
ご期待を裏切る形になり、本当にすいませんでした。

顧客対応メールは全てを定型文にして使いまわす

私は、先程のような顧客対応メールの定型文を
60通りほどのケースで用意しています。

お客様からのクレームや質問事項の内容は
ある程度数を積んでくると、似たようなものが多く、
初めての問い合わせで一度定型文を作れば、
それを使いまわすことで、大幅に対応時間を減らせます。

圧倒的に多く、必ず定型文を用意した方がいいケースは、

・注文を間違えたので、キャンセルをしてほしい
・書き込みがある
・いつ発送するんですか/早く発送してください

他によくあるケースとしては

・説明文に書いてない不良個所がある
・商品が届かない
・宛先住所が正しくないせいか商品が戻ってきた
・レンタルコミックとの説明文を読まずに買った
 購入者から「レンタル品」とクレーム
・郵便局留め対応は可能か
・追跡番号を発行してください
・キャンセル可能ですか?と聞かれたが既に発送済
・発送先を間違えてしまった際の対応
・入れた商品を間違えてしまった際の対応
・こちらから送ったメッセージに客側が気付かず、
 Amazonカスタマーセンターに対応を依頼する連絡
・商品の交換を求められる
・訳者が違うというクレーム(岩波文庫に多いです)
・同一梱包料金を求められるケース
・「注文した!」と客側は言っているが
 実際はまだ支払いが保留状態で支払い待ち
・返金方法を教えてくれという連絡
・中国語や英語で連絡が来て全く読めないので
 Amazonカスタマーサービスへの連絡を促す連絡
・同じ本をもう一冊送ってほしい
・時間指定の郵便を使えないかという提案

丸々二年間やりましたが、クレームの大半はこの中のどれかに
収まります。電話口で怒鳴り込んでくる水準のクレームは
ありませんでしたが、電話をかけてくる人は一定数いるので、
その際はしっかり対応するようにしてください。

初回は文章をゼロから考えるので若干しんどいですが、
二回目以降は必要個所を訂正するだけで済むので
1件10分以内で対応ができるようになります。

まとめ

検品は地味ですが、地味に時間を奪われます。
そして、手を抜けば抜くほど、クレームが増えて
より大きな手間になるのは、経験からも間違いありません。

本せどりは、ガッツリやるほど
商品点数が膨大になる為、こういった検品次第で
増減する顧客対応を一通り覚えることができるので
その点に限ってはメリットと言えるかもしれませんが、
少ないに越したことは無いです。

最大限、自分にできる検品を行い、
その上で来てしまったクレームに対しては、
真摯に対応し、且つ対応作業の効率化に励みましょう。

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この記事を書いた人

ハイジ/清瀬灰二のアバター ハイジ/清瀬灰二 地元と世界を繋ぐ長男

1986年生まれ。静岡県出身。
新卒入社の大企業→中小企業→個人事業主→破産→日雇い→二度目の起業まで、一通り全部見てきて修羅場を味わった経験を元に、実家暮らし・地域ビジネス・副業・趣味に関する発信を行っています。

横浜DeNAベイスターズ応援歴24年。

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