本せどりをゼロから始める時、取っ掛かりが無い時は
全頭サーチを右から左へ…と考えるかもしれませんが、
闇雲にやるよりも、仕入れ対象が見つかりやすい分野に
絞った方が、効率良く仕入れをすることができます。
文庫と新書など、一括りにして扱う人もいますが
今回は、本の種類毎のポイントに絞って解説していきます。
文庫本
出版社別
文庫の場合、必ずチェックしておきたいのは
岩波文庫・ちくま文庫・講談社学術文庫の3つです。
この三社は絶版本が多く、そう簡単に108円の棚に
本が落ちてこないので、もし見慣れないタイトルの本や
異様に綺麗な本があれば、仕入れ対象になることが多いです。
他のジャンルにも言えることですが、仕入れ対象になる本が
多く含まれやすい場所を検索することで、仕入れができれば
他の棚にも利益の出る本があるという指標になります。
逆に、一番仕入れ対象が多く含まれやすいところに
一切利益の出る本が無ければ、ライバルが来た後なのかも、
という検討材料の一つになります。
文庫や新書は、全頭検索をしても単行本や雑誌ほど
体力を持っていかれない為、最初はあまり先入観を持たずに
ガンガンやっていくことをお勧めします。
ジャンル別
文庫は、棚毎で大きく分かれており、
「ビジネス本」「海外の翻訳本」「現代小説」「歴史小説」
という4つのジャンルに分かれています。
この中で、仕入れ対象になりやすい順で並べると
「ビジネス本」>「海外の翻訳本」>「歴史小説」>「現代小説」
となります。
しかし、現代小説の中にも、一冊数百円、数千円と
利益が爆発するような本も含まれており、ライバルの中には
ビジネス本にしか手をつけない人もいる為、穴場です。
歴史小説と現代小説の狙い目ポイントとしては
「あ 作者」など、他の作者と一括りにされて陳列されている
108円本コーナーに、部数は少ないけど需要があるような
高額本が眠っている可能性が高いです。
ただ、有名作者の本やシリーズものの小説の中にも
仕入れ対象の本は含まれている為、仕入れの確率を上げて
疲労を抑えるなら「あ/い/う~の 出版社」を集中的に攻め、
余裕があれば全頭で一冊残らず搾り取る、と使い分けましょう。
ですが、仕入れができる確率や頻度は
ビジネス本の方が上である為、そちらの棚でライバルが
荒らしに来たかどうか、ある程度探った上で
小説系にも手を出すか判断することをお勧めします。
新書
新書の狙い目は「あ 出版社」など、出版部数が少なかったり
冊数が少ないので他の出版社と一括りにされている新書です。
仕入れやすい出版社が個別にあるかというと、
私の肌感覚では、そこまで特筆すべき出版社は無かったです。
あと、有名な出版社の場合は、時系列順で
左から右へ連番をつけられて陳列する店がほとんどの為、
その出版社の陳列されている商品の右半分、右10冊、
右5冊と絞る基準を決めてリサーチすると効率が上がります。
ただ、左端の本は、逆に絶版になっていたり
復刻版として再販されたり、プレミアになったりするなど
特殊な理由で高値になっていることもあります。
なので、こちらも効率を求めるなら右端を狙い、
利益を取りこぼさないならば全頭や左端も調べるなど
使い分けをすることをお勧めします。
私は本せどりの最盛期は新書が特に儲かっていました。
とにかく右半分や右端に絞って調べると効率が非常に良く、
開始30分で100冊以上仕入れた時もあります。
また、新書と文庫両方に言えることですが、
プロパーや単品管理の本は、基本的に仕入れ対象外の為、
個別に店舗で値下げをされた本だけが攻めの対象になります。
200円程度まで値下げがあれば仕入れ対象になりやすいですが、
大半の新書の商品価格が700-800円程度で安い為、一般的には
ここを漁るより、108円を狙った方が仕入れ対象は多くなります。
逆に、商品単価が1000円を超える類の新書が
たくさん並んでいた場合は、値札を確認するといいかも。
中公クラシックスの新書なんかは、よく仕入れていました。
単行本
単行本は商品点数が多く、あいうえお順の陳列や
出版年度別の陳列などは無い為、狙い目を作るならば
ジャンルを絞るという一点に限られます。
私が狙っていたのは、医学書、芸術書、資格関係、
美容や料理関係、パソコン関係の棚あたりです。
ここの200円棚を一棚丸々店舗の値下げラベルが
最新の色のものだけをリサーチし、5冊以上取れたら
そのまま次の棚、それ未満なら他のジャンルへ移動。
という風にリトマス試験紙のようにやっていました。
プロパーは最初から棚を取りに行く人もいますが、
私の中での立ち位置は、200円の単行本棚と
108円の新書文庫が不発だった時の最後の砦です。
プロパーは医学書の棚を一棚丸々全頭検索し、
その中でプレミア本が一冊でもあれば次の棚、
無かったらその時点で撤退を基準にしていました。
利益額だけを考えれば、プロパーをひたすら掘ったり
目利きを鍛えまくるでもいいと思いますが、私の場合、
専業だったこともあり、100%確実に稼ぐためにも
仕入れの点数を上げ、薄利多売にすることで
何も持ち帰れない状態を防ぐことを最優先しました。
雑誌
雑誌は、私はあまり力を入れていませんでしたが、
やるとしたら、最初に狙っていたのは料理・育児関係の本です。
医学書や美術書は儲かると言われていますが、
私が二年間やっていた中では、どうも相対的に
優先しても仕入れが伸びなかったような気がします。
恐らく、雑誌と言えば医学書、みたいなのが
定番になっていた影響で、多くの同業者が積極的に
そこを狙って物色していたからではないかと思います。
料理と育児は、値下げをされたものに絞って掘っていれば、
何かしら見つかるものが多かったです。
ファッション誌や、旅行系の雑誌については
相対的に、仕入れが難しかった印象があります。
やはり、雑誌の単価が高い業界や、
悩みが深い業界ほど、仕入れ対象になりやすいです。
児童書
児童書は、商品単価自体は安い本が多いですが、
単品管理ではなく、店舗独自の値下げによって
100円や200円に下げられている1000円台の本は
よく見かけ、仕入れ対象になりました。
狙い目を挙げるとしたら、文庫の児童書よりも
単行本サイズや大型絵本です。全体的に価格が高いので
必然的に仕入れ対象になる本は多くなります。
ですが、単品管理をされていると仕入れはほぼ無理な為、
絵本や児童書は、仕入れができる店とできない店に
ハッキリと分かれる傾向にあります。
一度確認したら、店舗のクセを掴み、
次回以降の仕入れに生かしていきましょう。
セット本
セット本の対象になりやすいのは、
文庫の漫画本と、歴史小説のコーナーです。
普通の漫画は、単価が安い為、プレミア本を除いては
なかなかセット本が集まりにくい傾向にあります。
ですが、文庫本になった漫画本は、元々の人気が大きく、
発行部数もそこまで多くないので、同じ漫画でも
文庫版だけは仕入れ対象になる!というものも多いです。
私もブックオフに立ち寄って本せどりをする際は
必ず確認していますが、数店舗回って見ていくと、
大抵ひとつふたつは、仕入れ対象の漫画があります。
小説に関しては、司馬遼太郎さんの時代小説シリーズ、
沢木幸太郎さんの深夜特急シリーズなどがよく集まります。
まとめ
上記で挙げたことは、教材や師匠から学んだことではなく、
自分で二年半現場を回っている中で気付いたことです。
多分、私が言語化できていないだけで、
無意識の内にノウハウになっていることも
まだまだたくさんあると思います。
それと同じように、実際にせどりをやっていると、
あなたも自分だけのノウハウがたくさん溜まっていき、
仕入れは確実に楽になっていきます。
狙い目のジャンルを頭に叩き込んだら、
あとは実際にブックオフを訪れて本せどりを実践し、
更に自分だけの狙う場所を確立していきましょう。
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