本せどりの仕入れ基準とは

昨年末の12月まで、丸々二年ほど本せどりをやりました。

最盛期は月商が100万を超え、利益も48万まで到達。

労働収入が頭打ちになり、人を雇ったり
規模を拡大する情熱は無かった為、今は完全に辞めましたが
未だに、即金で金を稼ぐには最適な方法だと実感しています。

長い事、色々なネットビジネスをやってきましたが、
本せどりよりも簡単な商売は、今まで見た事がありません。
30~40万円稼ぐ程度なら、本当に誰でもできます。

しかし、そんな本せどりでも、成果が出ない人や
在庫が膨らんで利益が思うように上がらない人がいます。
本の仕入れの基準を知らないからです。

この記事では、そんな本せどりの
仕入れ基準について解説していきます。

目次

自己発送で販売する際の仕入れ基準

自己発送は、自宅の倉庫や本棚で在庫を管理し、
注文された本を直接お客さんに配送する方法です。

FBAの発送に比べて、手数料がかなり安く、
利益の出せる仕入れ対象の本が腐る程多いです。

利益を挙げやすい代わりに、梱包発送作業で
体力と時間がかかるデメリットがあります。

私は全注文の9割以上を自己発送で発送していましたが、
上記の性質から、徹底的に薄利多売の方針で行っていました。

一冊あたりの利益ノルマを上げて商品数を減らせば
理論上は利益は変わらないはずですが、何故そうではない
薄利多売の大量仕入れ大量販売を行う人が消えないのか?

それは当然、薄利多売が未だに儲かるからです。

神奈川県では、一日に5~6店舗ほどブックオフを巡回すると
必ずと言っていいほど、薄利多売の本せどり実践者に遭遇します。

私の場合の仕入れ基準

私の手法では、得られる利益もしくは利益率を
本のAmazon販売ランキング毎に照らし合わせて
仕入れるかどうかを判断します。

最初は一々数字を確認するのが面倒に感じますが
慣れてくると一瞬で仕入れるか否か判断できるので、
最終的にはこの数字を暗記して仕入れに臨んでいきます。

Amazonランキングから見る売れるスピード

以下はあくまでも私の主観であり、
ランキングがたまたま高い水準に跳ねてきているだけの場合は
もっと売れるまでに時間がかかることもよくあります。

ただ、売れるまでのペースは控え目に書いてるので
リスク負って効率重視でモノレートを無視して仕入れる場合は
これくらいの肌感覚で見ると思って頂いていいと考えています。

また、自己発送の場合の基準で書いていますので、
同じ商品をFBAの倉庫に突っ込んだ場合は、体感レベルで
この記述の2~3倍くらいのペースで売れていきます。

20~50万位くらいの商品で、自己発送でさっぱり売れない場合は
処分するくらいなら、FBAに突っ込んで様子見るのがお勧めです。

<前提条件>
・本のランキングのみが前提
(コミックセットやセット本は基準が違います。より厳しいです)
・最安値は、2時間に1回、競合商品と同価格に更新している場合
(競合よりもマイナス1円に設定するともっと売れます)

1000位以内

出品すると一瞬で売れていきます。
少なくとも当日か翌日には複数出品しても全部売れてしまう。
よほど新品と価格差が無い限り、モノレートを見なくてもいいです

10000位以内

2、3日以内に売れます。

50000位以内

1週間以内に売れます。
この辺りから、価格改定を頻繁にするかしないかで
売れるまでのスピードに明かな差が発生し始めます。

10万位以内

2週間以内に売れます。この水準を超えるか超えないかの辺りから、
たまたま商品が売れてAmazonランキングが上がっていた場合、
買った時の想定通りに売れていかないことが多いです。

20万位以内

売れるまで1ヶ月はかかると思ってください。
個人的には、100%以上の利益率が無いと手を出しません

30万位以内

売れるまで3カ月はかかると思ってください。
個人的には、300%以上の利益率が無いと手を出しません

50万位以内

売れるまで半年かかると思ってください。
目標利益率は500%です。

ランクで50万位に届く商品は、ランキングだけでなく、
モノレートで中古の同商品が何回売れたかまで
チェックした方がいいです。

もし3カ月以内に1回か2回程度しか売れていない場合、
売れる可能性はかなり低く、FBAに突っ込んでも
長期保管料が課金されるまでに売れる保証が無い為
自己発送を貫いた方がいいです。

100万位以内

一年経っても売れるかどうか微妙です。
なので、それ相応の高い利益率(最低でも1000%や2000%)
もしくは利益額(最低でも1000円)の両方に引っかからないなら
仕入れの対象にしない方が賢明です。

売れるかどうか待って狙って売れる商品ではありませんが、
こういう本が100冊200冊と溜まっていくと
手堅い長期安定収入に繋がっていきます。

108円の本

1000位以内 → 利益100円以上
10000位以内 → 利益120円以上
30000位以内 → 利益140円以上
10万位以上 → 利益160円以上
20万位以上 → 利益200円以上
30万位以上 → 利益300円以上
50万位以上 → 利益500円以上
100万位以上 → 利益1000円以上

文庫や新書、絵本、単行本などの108円本は
このように、かなり薄利でも仕入れます。

棚入れのタイミング次第では、
1時間に100冊以上の仕入れも可能ですが
平時は1時間あたり20~30冊取れれば上々です。

特に新書や文庫は売れるのが早く、
この仕入れ基準を厳格に守れば、
在庫のおよそ半数が2週間以内に、
8割近くが1カ月以内に売れていきます。

200円の本

1000位以内 → 利益150円以上
10000位以内 → 利益200円以上
30000位以内 → 利益200円以上
10万位以上 → 利益300円以上
20万位以上 → 利益500円以上
30万位以上 → 利益600円以上
50万位以上 → 利益1000円以上
100万位以上 → 利益2000円以上

200円以上の本を仕入れる際は、
利益がマイナスになる可能性がある為、
最初は必ずモノレートを見るようにしてください。

仕入れ対象の本は108円よりも少ないですが、
本の定価や販売価格が文庫よりも高くなるので
一冊で500円や1000円の利益が取れる本もあります

プロパーの単行本や雑誌

プロパーの本は、価格が360円~2000円以上と
かなり幅広いので、一概に指標を出すのは難しいですが
ここでは仮に、仕入れ価格1000円の場合の事例を挙げます。

1000位以内 → 利益200円以上
10000位以内 → 利益500円以上
30000位以内 → 利益500円以上
10万位以上 → 利益1000円以上
20万位以上 → 利益2000円以上
30万位以上 → 利益3000円以上
50万位以上 → 利益5000円以上
100万位以上 → 利益10000円以上

プロパー本の場合は、必ずモノレートを見てください。
極端な話、ブックオフで1000円で売られている本は
仕入れを間違えると最大1000円損をする可能性があります。

200円の本以上に仕入れの難易度は上がりますが、
絶版本やプレミア価格の本にぶち当たると
ランクも利益額も非常に高い本が仕入れられるので
薄利多売を抜けたい方々は、ここを中心に攻めています。

私に本せどりを教えてくれた茨木の師匠は、自らの仕事を
実の兄に継承していますが、その兄は週に1度の仕入れで
雑誌のみを扱い、月収50~60万円を維持し続けています。

FBAを使って販売する際の仕入れ基準

FBAを使って仕入れをする場合、
自己発送とは根本的に仕入れの基準が異なります。

理由は、FBAの手数料の比率が本の販売価格に対して
非常に高く、薄利多売では全く利益が出せないからです。

ざっくり言うと、1000円で本を売った場合、
大半のサイズの本は、利益が400-500円しか残りません。

その為、200円や300円で仕入れると、
梱包発送や仕入れの手間を考えると、本せどりのFBAは
利益に対する労働に対して全く割に合わなくなってしまいます。

その為、私はFBAで本を販売する際の仕入れ基準は

・利益が500円以下になる本の仕入れは絶対にしない
・商品単価が1500円以上の本しか仕入れない

という風に設定しています。

何をして仕入れればいいのか

薄利多売の場合は、ひたすらバーコードリーダーを
棚の端から端まで当てていくのが基本になりますが、

FBA倉庫に入れる対象の価格帯の本を仕入れる場合、
それでは手間がかかりすぎて体力も奪われる為、
一冊一冊毎に検討をつけて一本釣りを繰り返し、
目利きを鍛えていくことが基本になります。

具体的に私が行ったのは、以下の手法です。

プロフィットせどり(無料レポート)

この手法は、同じ単行本の目利きを鍛えるにしても、
どういう手順で、どういう優先度でリサーチする本を
選べばいいのか、その基準が書かれています。

著者の田辺さんは12年間本せどりをしている人で、
内容も、実際に自分が悩んだ末にやっていた事と
ほとんど同じ事が書かれていたので、明らかにこの教材は
本せどりを本当にやってきた人が書いたものである事が
読んでいて感じられるものでした。

ゼロから最短で成果を挙げるなら
薄利多売の方が数段早いとは思いますが、
知識や実力を蓄積していく場合は、
とにかく単行本を攻めて目利きを鍛えた方がいいです。

ちなみにこの教材、数年前は3万円近くで売られていましたが
現在は無料レポートとして公開されています。

セット本せどり

セット本のせどりは単体でやると効率が悪いのですが、
FBAを使う場合は、やればやるほど利益が底上げされます。

これも初見からいきなり仕入れができる性質のものではなく、
漫画だったら一種類一種類、相場を調べて可能な限り暗記し、
初めて自分の目利きが鍛えられていく性質のものです。

時間を確保して、棚の恥から恥まで全部調べる…という事を
数週間丸々続けていれば、最初は死ぬほど疲れますが
確実に目利きは鍛えられ、その後は一瞥しただけで
仕入れが完了、利益が確定できるようになります。

どんな形であれ、本せどりをやると店舗を沢山回るので、
単行本もセット本もCDも全部仕入れができるようにしておくと
一店舗の利益も効率も一定水準まではひたすら上がり続けます。

CDせどり

これも、やることは非常に単純です。
棚のAからZまでを一枚一枚、引っこ抜いて相場を調べる、
ということをひたすら繰り返します。

すると、最初は取っ掛かりがないので全部調べますが

「aikoのCDはどれも利益が出ない」
「安室奈美恵はこれとこれとこれは利益が出ない」

と既に分かっているCDをすっ飛ばせるようになるので、
一棚あたりに最初は一時間かかっていたのが、
短時間の目視でリサーチを完了できるようになります。

これは上記のどの手法よりも目利きの蓄積に
時間がかかるので、ほとんどの人がやっていません。

そして、棚をひとつ全部リサーチすると、
一枚や二枚、必ず利益が出る商品が出てきます。

私は現在せどりから離れていますが、
もし再開する場合は、CDをガッツリやると思います。
持ち運びもかなり軽いので、車や駐車場も要りません。

闇雲にやってもつまらないので、
「J-POP」「アニメ」「声優」など
最初は自分の興味のあるジャンルに絞るのがお勧めです。

僕はアニメが好きだったので、最初はひたすら
アニメの棚だけを全部調べていました。

具体的な手法については、また記事にもしたいと思いますが
有料教材は以下のひとつだけ買えば、間違いありません。
価格も良心的ですし、数回聞けば理解できる情報量です。

http://www.kf-entertainment.jp/cd_sedori/letter.pdf

あとはガシガシと、リサーチしまくるだけです。

総括

総じて言えるのは、仕入れ基準が厳しい
(利益の出る商品が見つかりにくい)ジャンルになるほど、
いざ身に付けると、非常に美味しい市場だということです。

本せどりの自己発送、薄利多売に関しては、
利益の出る商品が極めて見つかりやすい環境を、
時間と労働力を生贄に捧げて手に入れるビジネスと言えます。

仕入れ基準の総合的な考え方

仕入れ基準を設定する、というのは、
自分が欲しいものを手に入れるために、
どのスキームを選ぶかということに直結します。

どのくらいの時間が欲しいのか?
どのくらいの収入もしくは時給が欲しいのか?

私の場合は、とにかく最初は
金が欲しくて、それだけを優先していたので

・週6回、一日12時間以上の仕入れ
・家で起きてる時間は全て梱包発送と商品登録作業

という、本せどりの自己発送・薄利多売を選びました。

しかし、ゴリ推しで月収60万円の壁を超えられない。
40~50万を維持し続けるのが、体力的に限界でした。

最初は気合と根性で乗り切ろうと思いましたが、
最終的には、資金と構造的な問題だと気付き、
スキルの積み重ねもこれ以上は無いと感じた為、
去年の12月で一旦、完全に辞めることにしました。

20代や30代ならともかく、40代50代になると
加齢と共に体力が減って食えなくなり詰みます。
現状の本の流通の仕組みも、永久には続きません。

本せどりを否定するつもりはないですが、
一日も早く、継続的な収入源も並行して
準備するようにしましょう。

本の仕入れ基準は決してひとつではなく、

・仕入れは週に1回だけ
・とにかく全自動で回すことを最優先する
・収入は月に5万円上乗せすれば十分

という人は、その人なりの仕入れ基準があります。

また、より高い売上や利益を狙うなら、
本を卒業して、より高単価な商品を扱う転売に
シフトする選択肢も考えなければいけません。

いずれにしても、大きなポイントは、今回お話したように
自己発送をするか、FBAを使うかという点です。

両方の基準共に、メリットとデメリットがあります。
よく考えた上で、ご検討ください。

まとめ

・本の仕入れ基準は、自己発送とFBAで異なる
・自己発送の仕入れ基準は、最低利益100円以上から
・FBA発送の仕入れ基準は、
 最低利益500円以上、売価1500円以上から
・個人事業の限界値は月の粗利50万円前後
 更に上を目指すなら他のジャンルに移った方がいい

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この記事を書いた人

ハイジ/清瀬灰二のアバター ハイジ/清瀬灰二 地元と世界を繋ぐ長男

1986年生まれ。静岡県出身。
新卒入社の大企業→中小企業→個人事業主→破産→日雇い→二度目の起業まで、一通り全部見てきて修羅場を味わった経験を元に、実家暮らし・地域ビジネス・副業・趣味に関する発信を行っています。

横浜DeNAベイスターズ応援歴24年。

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