ウーバーイーツは、面接も無く誰でも気軽に出来る仕事ではありますが、まだ一度もやったことが無い段階では「年齢が原因で弾かれないだろうか」と不安になったり、自分と同じ世代や境遇の人がいるのかどうかも気になるところです。
結論から言うと、年齢制限はありません。しかし、規約には無くても実質的な年齢の壁があります。
私自身も、5年後、40代に突入してまだ配達員をやっていたら、さすがに端から見ていて「大丈夫か?」と心配されるのは間違いないと思うので、その辺りも含めて、配達員と年齢と実際の仕事の空気感の関係を、これまで仕事中に関わってきたお客さんや飲食店の方々との間で感じたこと、周りの配達員を見てきて思ったことを、話させて頂きます。
30代40代と年齢が挙がるほど、配達員の比率は急激に減る
これまで2年以上UBERをやってきましたが、間違いなく言えることは、配達員の中心を担っているのは若い人達であり、一番多い年代は20代、次いで10代後半の大学生だということです。
対する30代はやや少数派となり、40代に限っては全体の1割以下で、稼働中になかなか見かけることがありません。
女性に限っては、そもそも男性:女性の比率自体が10:1か20:1くらいで、ほぼ20代。
30代以上の女性が配達している姿は、2年間トータルでも数人程度しか見たことがありません。
ウーバーの事務局も高齢者や女性を申込時に制限していたという話は聞いたことが無いし、国内でサービスを開始した頃のCMや販促動画を見ていると、むしろ色々な年代の人にやってほしいと思ったのですが、何故ここまで年代が偏るのか?
この点に関して、実際に長年配達員をやってみて、私は肌感覚で感じた理由がいくつかあります。
年齢制限に代わる年齢の壁
体力という壁。30代以降は、想像していた以上に体力が減る
30代以降はまず、シンプルに体力が無くなっていきます。
私は最近ヘルニアの影響で朝6時には起き、そこからずっと働いてますが、最近は21時〜23時くらいになると、明らかに体力が完全にゼロになり、腕や上半身が全く動かなくなるようになりました。
20代前半の若い時は仕事やプライベートで徹夜を1日2日していた時期もあったのですが、恐らく今はもう無理です。しかもこれは半分が配達の仕事で残り半分がデスクワークなので、クロスバイクで丸一日の稼働は、リアルに交通事故の危険性が出てきます。
40代になったら、一体どうなってしまうんだ自分の体…。
そして、体力が無くなると怖いのが、食事量が減らない場合、体を動かして本来消えるはずのカロリーが体に溜まるので、元々よく食べる人は、生活の変化に適応しないと、太ったり生活習慣病になる可能性も高くなるということです。
体力を現状維持する目的だけでも、運動する意味を、最近は今まで以上に感じています。
社会人は、年齢相応の仕事をしていないと舐められる
10代後半や20代の人が配達員をしている場合、学費を稼いでいる、将来に向けてお金を溜めているなど、仕事をしている理由を何かしら察して、見ている側も違和感は無いと思います。
しかし、これが30代や40代になると、もし会社員として10年15年のキャリアを積み重ねていた場合、会社に売上や利益を発生させて、貰う給料もそれ相応の金額に達していることが普通です。
要は、大半の社会人にとって、金銭面でも社会的な地位・信用面からも、配達員をやる合理性やメリットがありません。
少なくとも、35歳や40歳の段階で、アルバイトの最低時給レベルということは無いでしょう。
仮にそれくらい収入が低い状況を、今の日本である程度の年齢になっても受け入れることは、人生で結婚と子供を諦めるという意思表示に近いので、仕事のやりがいを最優先する、俺はこの仕事で一生やっていくと腹を決めている人がほとんどです。
しかし、ウーバーの配達員をやっている人の中に、そういった何かしらの信念の元に配達の仕事を続け、プロ意識を持って働いている人が、一体どれだけいるでしょうか?
一部にはいるかもしれませんが、大半の配達員は自由に気楽に仕事をしている風に見えると思います。
配達のプロになりたいなら、赤帽やメッセンジャーだと思うんですよね
つまり、その年齢になってウーバーの配達員をしていること自体が、当人の意志や事情がどうあれ
・社会人になってから何一つ積み重ねてこなかった人
・キツい仕事から逃げて楽をすることしか考えていない人
・仕事や人生に対する自分の信念を持っていない人
・何をしたいのか、何のために生きているのか考えていない人
・世の中の道理が論理的に考えられない、頭が悪い人
だと勝手に思われて舐められても、仕方ないということです。
私は20歳で就職し、6年間正社員として働き、7年間個人事業主をしてきましたが、ウーバーの配達員をしている限り、過去の経験は何一つ関係ありません。
配達員に向けられる感謝の気持ちも本当に嬉しいですが、タワマンで同じ年代の人達に食事を届けている時も、自分より若い人達が飲食店で働いてる姿を見ている時も、俺は一体何をしているんだろうという悔しい気持ちは常に感じています。
この仕事に甘んじていることを悔しいと思わず、慣れ切って何も感じなくなったら、一生ここから抜けられなくなるだろうなと思います。
だから、この仕事に救われたとは思っていますが、年を重ねれば重ねるほど、長く続ける仕事だとは思いません。
今後ウーバー関連の記事を書く際も、日本一周したりウーバーを楽しもう!というスタンスではなく、あくまでも配達の仕事から次の目標へのステップアップを後押し・応援するという指針で、ガジェットや情報を軸に書いていく予定です。
既に自分の人生を諦めている人を無理に焚きつける気はありませんが、まだ抗う気持ちが残っている人は、ウーバーで繋いだ金と時間を使い、是非、自分のエネルギーを打ち込める新しい仕事を見つけることをお勧めします。
配達員を卒業するために必要なもの
転職する場合
自己分析
転職の場合、これまでの経歴・UBERをやっている理由・何故転職をするのか、筋が通らないと採用されません。
企業も一度採用したら最悪定年まで解雇できず、30代でも給料を累計1億以上は払うことになるので、この人を雇ったら仕事を一生頑張れるか、辞めないかという点はかなり見られます。
また、本人にどんなにやる気があっても、適性が無かったり、これまでの人生で何かしらの結果を出していない場合、新卒や20代ならまだ鍛え直せばポテンシャルで採用もできますが、30代40代の場合は既に今までの社会人経験で染み付いた価値観や基本的な仕事のやり方を、1から変えることは相当難しいので、どうしても採用は慎重になります。
以上の理由から、自己分析をして、万全の状態で面接に臨む必要があります。
配達員特有のデメリット
就活自体のアドバイスは就活や転職の専門家の方が詳しいのでそちらに任せるとして、配達員上がりの人の場合、デメリットになりやすいのが、配達をしている間の期間が、定職の繋ぎのアルバイトとして見られた場合、離職期間と同じように扱われてしまう可能性が高いということです。
もちろん、自分のキャリアプランや得たいスキルを得る為にウーバーイーツをやったという場合はそれを訴えてもいいですが、「何故、ウーバーをやっていたのか?」などのツッコミにも対処しなければいけないので、プラスの解釈に持っていくのに無理があるほどの嘘は、つかないことをお勧めします。
嘘で塗り固めた好印象を評価してもらって入社すると、後々辛くなります
一般的に、半年以上の離職期間があると「そもそも、この人は正社員として働く意欲があるのか?」というところを疑問に思われ始めるので、中継ぎの仕事としてウーバーを始めた場合は、すぐに転職活動も並行して始めた方がいいです。
参考リンク:職歴に空白期間がある場合の履歴書の書き方(リクナビネクスト)
自分で商売をやる場合
向こう2−3年は収入が見込めるビジネス
自分で商売を始める場合、十分に売上利益を挙げる見込があり、最低でも向こう2−3年は継続が見込められる仕事を、配達員生活と並行して用意しましょう。
会社員として生活していると、20年30年先まで自分の仕事が成立しているのが当たり前だと大半の人は考えますが、会社の経営者や個人事業主は、そんな悠長な考えでいると、突然ある日、あっという間にその商売のルールが変わったり、急に稼ぎが半減したりゼロになったりするのが日常茶飯事です。
今都内に大勢いる配達員の仕事も、10年後には大半が要らなくなり、業務委託を打ち切られます。
僕も副業時代から10年以上足を突っ込んできて最近やっと理解してきましたが、自分のやっていることや、稼げる能力・流行りのビジネスが永遠に激しく変わり続けるのが、フリーランスの世界です。
もちろん、数十年スパンで長く続けられる堅い商売も(不動産とか)ありますが、それを始めるには大きな元手となる金が必要で、弱者である僕らは、たとえ数年後に無くなるかもしれない短期ビジネスでも、リスクを負って始め、まずはそこで勝負に使う種銭を稼ぐ必要があります。
それが見つからず、「いける!稼げる!」という確信が自分の中に無い場合は、まだ起業しない方がいいです。
仕入れ資金・軍資金
私も過去に色々なビジネスに手を出してきましたが、すぐに成果が出る再現性の高い商売であればあるほど、商品や仕事道具の仕入れを伴うので、仕入れの資金が必要になります。
また、経費や仕入れ代がかからない商売であればあるほど、すぐに成果は出ず、半年や一年の下準備・下積み・助走期間が必要になるので、こちらの場合は、その期間を耐え切るための生活費が必要になります。
目安として、最低でも半年〜1年分の生活費を確保し、その金額は何があっても絶対に手をつけない方がいいです。
最悪、バイトで補充してでも、向こう数ヶ月の生活費があるだけで、精神的な安定度が全く違います
私は二度目の商売をゼロから始めた直後は、引っ越し代は引っ越しの前週に揃え、入居後も炊飯器や洗濯機すら無く、その日その日を暮らすことが精一杯で、正直、全く仕事や勉強に集中できていなかったことを覚えています。
その間は、商売も一切やらずに、節約をして日銭を稼いで、とにかく金を貯めましょう。
頼れる人は、親から金を借りてでも、行政に給付金を申請してでも、何とかすべきだと思います。
生涯を賭けてやりたい仕事
実際に今取り組んでいるビジネスがそうなれば最高ですが、今後自分が生涯をかけて何をやりたいのかも、一度しっかりと考えておきましょう。
というのも、ビジネスの成否を最後に分けるのは、どれだけそれを継続できるかどうか、だからです。
私の周囲にも、中国輸入を5年以上続けている人、エンジニアや保険の営業を社会人になってから10年以上継続してきている事業主仲間がいますが、全員、ずっと順調だった訳ではなく、必ず一度や二度は苦しい時期を経験しています。
儲かるから、流行っているからという動機だけで始めると、調子の良い時は大丈夫でも、その苦しい時期を乗り越えることができなくなります。
逆に、やりたいことが明確で、俺はこれで生きていくと決めて腹を括っている人は、ここ最近のコロナ渦のような過酷なピンチが来ても、そう簡単には死ななくなり、しぶとく生き残ります。
どうせ戦争するなら、自分のやりたいこと、やっていて楽しい要素が多い仕事を選びましょう。
配達の仕事以上に打ち込めるものがまだ見つからない場合
もし仕事でガッツリ打ち込む・頑張る対象が無いなら、最初は趣味でも構わないと思います。
僕は一度商売を潰して畳んだ時、最初にやったのは、学生時代にハマっていた遊戯王でした。
結婚よりも遊戯王に人生を賭けてきた日本代表の男性の動画を見て、心に熱いものを感じ、その後の2ヶ月間、1日12時間以上、遊戯王を本気でやっていました。
3日制の世界大会にも出ましたが、2日目の夜に過労で胃を壊し、無念のリタイアをしました。
最終的に、カードの引き運と運営会社のサジ加減で勝敗が揺れるカードゲームの世界ほど理不尽なものは無い、自分の力と戦略だけで敵を倒せる場所で勝負したいという結論に至り、持て余したエネルギーを、今度はビジネスに全部突っ込むことにしました。
結果、今は仕事がめちゃくちゃ楽しいです。
恋愛だろうが、ゲームだろうが、自分の全てをぶつけて本気でやった時間と経験は、絶対に無駄になりません。
何かしらの形で、必ず次に繋がります。
中途半端にハマるのが一番良くないです。
子供がゲームにハマっている瞬間って大体そうだと思うんですが、自分の未来のこととか、家族のこととか、普段心配しているようなことを全部忘れてしまうくらい、そこにのめり込んでいると思うんですよ。
使命感や誰かのために生きてる人は、結果が伴わなかったり燻っている場合は、一旦全部捨てて、自分のやりたいことに没頭してみるのもお勧めです。
私が自分を振り返る時に、一番お世話になった本は以下の3冊です。20代や30代になっても尚、自分のやりたいことが分からない、目の前のことに集中できていない人には、強く背中を後押ししてくれる本なので、興味のある場合は、是非読んでみてください。
お勧めは、手紙屋です!
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