私は社会人の1~3年目の頃、某漫画の影響で
シェアハウスを作りたいという目標があり、
実際にシェアハウスに住むきっかけになりました。
当時から既に10年近く経ちましたが、
実際に誰かの出資や建物の提供を受け、
シェアハウスを運営する際に気を付けることは、以下の3点です。
税金
まず、大家さんとの間で一番気を付けなければいけないのは、
・入ってくるお金
・出ていくお金
にあたる、売上と経費の金額を把握することです。
例えば、年間の家賃収入が500万円あり、
「家は自由に使っていいよ」と大家側に言われつつも、
・経費の支払いなどは大家側で行う
・家賃の受け取りは管理人が行う
この場合、確定申告をする際、管理人は収入が500万上がり、
その500万にたいして、丸々税金がかかってきます。
もし本業が別にあり、それも500万の売上があって
年間の売上が1000万円を超えると、消費税がかかります。
また、所得税、国民健康保険料、住民税などの金額も
収入額に応じて上がる為、シェアハウス管理の
報酬の受け取り方によっては、むしろトータルで考えると
可処分所得はマイナスになる可能性もあります。
それに対し、大家はローンの残額、固定資産税、修繕費など
支出だけがかかってくるので、確定申告が有利になります。
もし、固定資産税、修繕積立金、ロイヤリティ相当分などを
管理人から受け取っている場合、それも課税収入としては
相殺されるので、うまく調整すれば、ほぼ税金を増やさずに
家賃収入を受け取ることも可能になります
大家側も、それを放置するのはあまりに申し訳ない為、
例えば家賃を振り込みではなく、直接手渡しさせることで
管理人の銀行への振り込み記録を口座に一切残さず、
収入にあたる数字をゼロにさせる、ということがあります。
ですが、それは節税という名の脱税であり、
管理人や住人を丸め込んで脱税に加担させるのは
可能と言えど、さすがに倫理的に問題があります。
また、管理人や住人全員が一致団結して
脱税をする体制が整ったとしても、
シェアハウスという入退去が活発な形式上、
外からどんどん新たに住人が入ってきます。
元々確定申告をやったことがある人、
そこそこの規模の商売をやった経験のある人なら
「こいつら、脱税してるな」というのは
一発で分かります。
なので、それをネタに、大家や管理人側が
「税務署に告発しますよ」と脅されたり
・家賃を下げる交渉をされる
・家賃を滞納されて居座られる
・口止め料として金を請求される
なんてことの原因になる可能性もあります。
何より、脱税を自覚しながら隠し続けるのは
他人や社会に対して後ろめたい思いを常に抱えながら
生きることになり、僕ならば精神的に耐えられません。
逆に、慣れきって何も感じなくなる可能性もありますが、
借金を例に例えると
・借金自体が1円でも悪だと感じる人
・意味のある借金ならしても良いと感じる人
・借金は貸した側の責任だから、
返さずに踏み倒すのも自分の権利だと感じる人
の間には、踏み越えたら二度と戻ってこれない壁があり、
数百万、数千万クラスの金を踏み倒してしまった場合、
一度その壁を超えると、元居た側の人とは一緒にいる事に
苦痛や違和感を感じ始め、同じようにモラルが崩壊した人としか
一緒に過ごしたり、酒を交わすことができなくなります。
特に、大家さんは不動産の運用をしている以上、
税金周りのことは知り尽くしている為、
確定申告をしたことが無い人間が管理人になると、
当然、自分が有利になるよう交渉を進めてきます。
なので、大家さんとの交渉時には、
税金の知識を一通り学ぶか、誰かに同席してもらい、
お金の出入りをしっかり確認して、自分が損をしないよう
十分に注意して交渉に臨みましょう。
税金の知識を一通り学ぶか、誰かに同席してもらい、
お金の出入りをしっかり確認して、自分が損をしないよう
十分に注意して交渉に臨みましょう。
火災保険
建物を管理する際、火災保険には必ず入りましょう。
入っていない場合、一番怖いのは、
火災よりもむしろ、水害です。
特に、風呂などの水漏れや桶交換の際は、
壁を一部破壊する工程が必要になり、
一回の工事で普通に100万円近い支出が発生します。
これだけならまだ何とかなると思いますが、
一番怖いのは、階下などに浸水で被害が発生し、
そちらの弁償まで必要になった場合です。
私が以前住んでいたマンションでは、4階で漏水が起こり、
階下の多くの部屋で壁紙が剥がれたり、床が水浸しになり
タイルを交換する必要が出てきて、総額800万円近い
支出が発生することになりました。
ですが、自治会系列の保険に入っていたおかげで、
工事費以外は全て保険会社からお金を支給してもらい、
当事者の方々は難を逃れることができました。
火災保険は、必ず加入することをお勧めします。
契約書を交わすこと
シェアハウスという特殊な賃貸を始める時点で、
大家さんと管理人間には、相応の信頼関係があると思います。
(一般の仲介業者は、管理コストが割高になるシェアハウスを
普通の賃貸物件より率先して扱う事は、ほとんどありません)
しかし、やはり大きなお金が動く商売である以上、
契約内容は、しっかりと書面に残した方がいいです。
法律上は、口頭でも賃貸/管理契約は成立しますが、
特にお金の支払いをどの口座に、いつまでにするのか、
入居者との間で問題が発生した場合はどうするのか、
口約束だけだと、後々のトラブルの火種になります。
特に、管理人側が
・まだ不動産を持ったことが無い
・一度も確定申告をしたことが無い
という場合、実際にシェアハウスを運用してみないと
一体どんな税金が発生し、どんな落とし穴があるのか
すべてを把握するのは、無理だと思います。
なので、書面の契約で自分を守るのは大事ですし、
できれば第三者の法律や不動産に詳しい人に
間に入ってもらうことをお勧めします。
その上でシェアハウスを始める前から不安が尽きない場合、
それは単に管理人の知識の不足から来るものなので、
シェアハウスを始める前に、その不安が消えるレベルまで
十分に不動産の勉強をした方が楽になると思います。
知識ゼロの段階で不安がゼロというタイプもいますが、
そういう人は結果的にシェアハウスや不動産に
携わったり運用する最中で自分の身を削りながら
学んでいくので、それもひとつの方法です。
自分はどちらかというと、そのタイプでしたが
一体どこから刺されるのか分からない状態で暮らすのは
色々と精神的に参ってくるので、お勧めはしません。
ですが、一度シェアハウスを始めた場合、
ホイホイと簡単に管理人を辞められては大家も困りますし、
住人全員も路頭に迷うことになります。
多額のローンや固定支出を抱えると確実に人生が傾く為、
契約の内容や締結については、慎重に動いてください。
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