先月まで1年間シェアハウスに住んでいましたが、 在住期間中、かなりの数のクレームを言っていました。


自分の場合、クレームを入れることが相手の為になると 勝手に思い込んでいたので、ある程度までは意図的に、 大家さんに嫌われることも全部覚悟した上で、 今思うと過剰なレベルで文句を言いまくっていました。


しかし、退去して改めて考えた今、そこに関して 色々な前提が根本的に間違っていたことを痛感しています。

クレーム対応は管理者側の立場で考えると割に合わない


自分がクレームをより積極的に伝えるようになった 一番大きなきっかけは、以前、不動産屋の営業、 保険の営業、それぞれの人から、

「クレームを入れてくれる客は最も感謝すべき存在」
「サービスの改善点をわざわざ教えてくれる客は少ない」

という旨の話を聞いた時からです。

ただ、これは今思うと、不動産の仲介は 1件だけで数百万〜数千万円規模の手数料が手に入り、 保険も生涯で払う総額が同等になると見込める商売。


この場合、ボロクソに罵倒してくるクレーマーだろうが、 対応して受注に繋がる可能性を考えたら、連絡が途絶えて 失注してしまうことに比べて、明らかにメリットがあります。

それに対して、一般の賃貸物件やシェアハウスの管理業は、 家賃に対して約5%が相場の、管理報酬が毎月入ってくるだけ。


仮に家賃が5万円なら、月の実質的な報酬は2500円です。
月2500円の為に、毎月のように文句を言われ、 その顧客対応のことで日々ストレスを溜め込むことは、 仕事として全く割に合いません。

自分がシェアハウスの大家側の立場だった場合、 そういう客は一人でも少ない状態が良いし、 月額1万円で特定の誰かや管理会社に丸投げ出来るなら 間違いなく外注を検討すると思います。

もし僕自身が大家をやる場合でも、実際に欲しいとしたら、 シェアハウスのオーナーという肩書と運営実績であって、 顧客対応やストレスを浴びる管理業務ではありません。

そもそも、冒頭の不動産屋などの営業さんの発言も ある意味方便の可能性があり、どんな仕事であろうが 人からガンガン文句を言われて嬉しい人はいません。


他人の運営する家に住む上で、 そういう点に頭が回らないことは致命的で、 ただのヘイトを撒き散らすモンスター顧客になります。

シェアハウス管理業の基準値を知っておくこと


細かいことを挙げればキリが無いのですが、 当時の自分の感覚では、建物を預かる人間や 社会人の対応として、あり得ないと感じる仕事を 日常的に見せられ続け、想像していた以上に カルチャーショックを受けました。

自分が温室育ちだとは全く思っていませんが、 仕事でも私生活でも、ここまで他人から 雑に扱われる経験は、今まで一度もありませんでした。


その為、怒りを通り越し、夜な夜な絶望的な気持ちになり、 最後の数ヶ月は、建物を視界に入れるだけで反吐が出て 月の大半をホテル外泊で済ませるようになりました。

しかし、退去を控えた数日前や退去した後、 他のシェアハウスに住んでいる方や 不動産関係者と飲む機会があり、話を聞いている内に、 そもそもの原因は、シェアハウスの基準値を知らなかった 自分にあるということを思い知ることになります。


「そんなの当たり前だよ」
「シェアハウスなんてそういうもんだよ」
「君の気持ちもわかるけど、大家さんだって、好きでそういう対応をしている訳じゃ無い。仕方無いんだよ」

ネット上の情報を調べてみても、 住人の様子や管理の状態に関して、 もっと酷い状況のシェアハウスが腐るほどあります。

・住人がある日突然半数以上大家に無断で退去する
・深夜に隣の部屋から長時間携帯の長電話が聞こえる
・風呂の排水口に大量の髪の毛を残して一切処理しない
・雨漏りを報告してるのに一切対応される気配無し
・水道が普通に止まる
・物置きやベランダに知らない人が突然住み始めたが、自分らが共用部含め払っている家賃は変更無し
・ゴミ捨てをする必要はありません!と謳って実際は業者が全くゴミ捨てをしておらず住人に丸投げ
・炊飯器を交換します!と言って平気で数ヶ月放置
・冷蔵庫に1ヶ月野菜が入っており腐りまくり
・プレステが盗難されて住人同士が疑心暗鬼
・管理人がいるのに仕事をさせることができず、逆にお伺いを立てており管理人の方が立場が上


つまり、安い普通のシェアハウスに住むなら、それくらい許容する覚悟が無いなら、自らストレスの地雷源に突っ込むのと同じことだということです。


自分が想定する「然るべき管理状態」というのが、 製造業的に言うなら、過剰品質だったということです。


以前一度、ソーシャルアパートメントに住んでましたが、あそこは家賃相場が高く、運営会社も法人だったので シェアハウスの経験と括るには語弊があったと思います。


とにかく、一々文句を言うくらいなら

・サービスが盛り込まれた高い家賃の家に住む
・契約書で鉄壁防御された状態で一人暮らしをする

これを徹底しましょう。


極端な話をすれば、初期費用100万用意して、 家賃20万払ってタワマンの居住権を手に入れましょう。 それだけで全部解決します。文句があるならまず金を。


正直、シェアハウス生活を完全に侮ってました。 自分に合っている住み方では無かったです。
大家さん、関係者の皆さん、 今更許してほしいとは失礼すぎて全く思いませんが、 余計な苦労をかけまくり、本当にすいませんでした。

不動産管理業務は、真面目にやりすぎると精神が崩壊する仕事


では、管理の基準値自体が低いことは分かりましたが、 何故、そもそもシェアハウスの建物管理が 一般的な物件と比べて粗末になることが多いのか?


大家さんや管理人をやっている人達も、 普段は普通に仕事をしている社会人であり、 本来、そんな対応をする素振りは全く見られません。


何故、こんなことになってしまうんだろう?

それが自分の中で腑に落ちた、 ある発信者の方の発言があります。


この一連のツイートは、仕事の背景は違いますが、 50代以上の単身高齢者を中心とした賃貸物件の 管理業をされている不動産業者のTwitter垢です。

・管理業務は、人を物だと思って扱う必要がある
・低所得者のクレームに真摯に対応していると精神が崩壊する
・一定数で来るクレーマーは必要経費と思って割り切る

これ、部分的に切り取ると一見酷い言葉に見えますが、 家賃を抑えた家の管理業務というのは、それくらい、 人やクレームの扱いを妥協しないと精神的にやっていけない仕事だということです。

そう考えると、これまで受けてきた全ての対応は、 手を抜いていた訳では無く、家賃を安く抑えていた シェアハウスだからこそ、むしろ逆で、


・雑に扱うことが、仕事を果たす最適解であり、むしろめちゃくちゃ頑張ってもらっていたのではないか
・丁寧なサービスをした方がいいのは重々承知した上で  管理者が精神的に参ってサービスを放棄してしまう方が遥かに迷惑がかかる為、品質抑制に徹していたのでは


など、別の可能性がいくらでも考えられます。

そして、不動産に関わる仕事は数あれど、 「管理業務のプロフェッショナル」になりたい人は 世の中にほとんどいないはずです。


・何も仕事が発生しないことが良い状態
・降ってくる仕事の大半は苦情絡みの改善要望


この仕事に対して、入居者の方から 「クレームを入れることが相手の為」とか言っても、 冒頭の価格の件も踏まえ、余計なお世話です。
しかも、客商売である以上、 それを管理者側からは基本的に口に出来ないので、ストレス度合いは住んでいる側の配慮や心遣いにかかっています。


入居者側はむしろ、損を買って出たり、相手のしてほしいことを 代行するなどの行動をする方が、 ずっと相手の為になります。

まとめ

・クレーム処理が管理費に対して割に合わない
・シェアハウス管理の仕事の業界基準値自体が低い
・顧客対応を真摯にやりすぎると精神が崩壊する

この三点を考えると、シェアハウスの管理者に対して クレームを入れること自体が、そもそもの間違いであり、 文句があるなら退去するなり、最初から入らないなど むしろ、余計な手間をかけさせないことが重要です。

世間ではテラスハウスなどの影響で シェアハウスに憧れを持つ人もいたり、 最近は色々なコンセプトの家も増えてきています。

ですが、結論として、安いシェアハウスは、
高い家賃を支払いたくない人が、現在のリソースで 今の支払い能力を超えた水準のメリットを得る為に ストレス耐性を生贄に捧げる手段
ということになります。

それを念頭に置いた上で、 シェアハウスごとの特徴を吟味したり、 実際に住むかどうかを決断しましょう。


入居したらウダウダ文句言わない!
嫌なら潔くさっさと退去する!以上!