町内会の防災訓練について解説!目的・内容・運営のコツ

全国の市区町村の町内会で、
年に数回の防災訓練が開催されています。

大きな地震や自然災害が猛威を奮う昨今、
緊急時の自治体の動きや導線を確認したり
避難経路を確認する為には、非常に重要です。

ですが、訓練は地域全体や他の地区の町内会と
連携を伴うものが多く、準備や当日の運営は
一度経験して慣れないと大変なものになります。

また、町内会は持ち回りで防災担当を決めたり
会長や班長に重要な役割が割り振られたりと
当日に向け頭を抱える人も少なくありません。

この記事では、そんな町内会の
防災訓練について解説していきます。

町内会の防災訓練の目的とは

住んでいる地域で地震・台風・津波などの
自然災害が発生した場合、大規模な被害が出て

・橋が落ちる
・峠の道が山崩れで通行不能になる
・役場が水没して機能不全になる
・電話や無線通信が使えなくなる

など、公的機関の対応が追い付かない状況が
突然やってくる可能性があります。

そんな時は、避難所の運営、食料の自炊や配給、
怪我人の応急処理などを、救助が来るまでの間、
自分たちの手で行わなければいけません。

防災訓練の目的は、住民自らの手で
自分たちの住んでいる地域を守るための
「自衛の意識」と「自衛の手段」を手にすることです。

ほとんどの地域で、自治会単位、自治会連合会単位で
年に数回の防災訓練が実施されており、町内会は
担当者を立て、この訓練の準備と運営を担当します。

町内会の防災訓練のやり方 -事前準備-

組織編成をする

防災訓練や日頃の防災活動を始めるためには、
町内会を取りまとめる会長・副会長を置き、
それ以外にも一人一人の仕事の分担を決めて
編成する必要があります。

情報班、消化班、救護班、炊き出し班などの
分担は、訓練当日の仕事を割り振るだけでなく
実際に災害が発生した場合の立ち回りを
してもらうことになるので、重要です。

防災訓練の告知をする

防災訓練の参加者を増やすには、
町内会としての本来の導線は

連合会町内会の告知

→町内会の告知
→各家庭の家族への告知

が理想なのですが、

・防災訓練に関心が無い人、意味を感じていない人
・担当区域内に住んでいるけど
・町内会に入っていない家庭

は、連絡網や回覧板では参加を促すことができません。

なので、もし近隣の住民の方で
防災訓練に参加していない人がいたら、

この記事の冒頭や最後に書いてあるような
防災訓練の意義を説明した上で、
積極的に参加を促すよう声をかけてみてください。

特にお子さんは、学校からの働きかけが無いと
両親からの呼びかけが重要です。

一度炊き出しなどに参加すると、私達大人以上に
訓練の必要性を本能的に感じてくれる人は多く、
将来的に地域の活動に積極的に参加してくれる人を
増やすためにも、子供への声掛けは大切になります。

町内会の防災訓練のやり方 -メニュー-

防災訓練のメインとなる内容は
・消火訓練
・AED取扱い訓練
・怪我人の輸送訓練
などの体験型訓練です。

人数の関係から、全員が体験できるものと
全員が体験できず、一部の代表が体験できるものの
両方があります。

また、雨天の可能性を考えると、基本的には
体育館を会場とし、体育館の中を3分割ほどして
人を振り分け、ブースをぐるぐる巡回する形で
実施することが多くなります。

消火訓練などはさすがにグラウンドでやりますが、
雨天の場合に備え、無線通信体験や水道局の講義など、
別のメニューを用意しておくことをお勧めします。

また、毎回同じことをしていると
訓練の意味が薄くなり、参加者の関心も低くなるので
必ず最低一つ二つは、新しいメニューを入れましょう。

私が実際に地区内で経験してきた訓練内容は、

・地区のハザードマップの説明
・コンテナを設置して仮想煙部屋の体験
・紙製の簡易担架作成/輸送訓練
・油圧ジャッキアップを使った救助訓練
・ロープの縛り方体験
・車いす体験
・消防車による放水訓練
・三角巾による応急処理体験
・隣町の防災訓練拠点や役所と
 トランシーバーによる無線通信体験

などがあり、内容自体が役に立ったり、
消防署や役所など、様々な人が防災や
人の生活に携わっているんだなということを
知ることにも繋がりました。

そういう意味でも、有意義な時間だと思います。

町内会の防災訓練のやり方 -炊き出し-

防災訓練では、炊き出しも重要な訓練です。

理由は、自治体の救助が早期に見込めない場合、
数十人や数百人の食料を各々が用意するのは難しく、
大釜などを使って大量に炊き出しをしないと
飢えてしまう人が出たり、治安が悪化するからです。

主に担当するのは、女性の主婦の方々、
小学校や中学校の子供達であることが多いです。

メニューは

・カレーライス
・豚汁

が主流ですが、午前中に行うことが多い為、
昼食を賄えるよう、白米の炊飯を伴う
献立にしておくことをお勧めします。

また、調理にかなり時間がかかるので、
担当者達は防災訓練の本来のメニューは出ずに
炊飯に専念することを強くお勧めします。

防災訓練はその性質上、子供たちの参加も
重要ですが、炊き出しは楽しい要素もあるので
参加を促すひとつの手段としてお勧めします。

また、炊き出しに使う釜は、レンタルで借りると
保管場所が必要なくて楽ですが、実際の災害時に
現物が無いと全く意味が無いので、予算を確保して
必要人数分、必ず購入しておいてください。

防災訓練のアイデア

・町内会の中にいる人の中で、職業特有の
 防災に役に立つスキルのある人に協力を仰ぐ

例えば、医薬品のメーカーに勤めている人がいたら
災害時に役に立ちそうな医薬品の知識や、
扱う時の注意点について活用してもらったり。

参加者の中に大工さんや建築士の方がいたら、
家の耐震補強の知識などについて講義をすることを
お願いできるかもしれません。

以前春先にやった講習では、中学校が会場だったので
現地の校長と教頭が当日現場に来てくれたのですが、
知り合いに水道局と役所の人がいたおかげで、
その後の訓練に人を巻き込む動きが生まれました。

このように、町内会のメンバーの人的資源を
使えると思ったら、どんどん打診してみてください。

まとめ

大抵の自治会には、会長さんや防災担当者などが
毎年任命され、持ち回りで対応する形が多いです。

私も2018年の一年間、実家や地元ではありませんが
住んでいるマンションの自治会の防災担当として
地域の防災訓練に参加させて頂きました。

その結果、最初は正直苦痛で仕方無かったのですが、
当日を迎え、町民の大人から子供まで200人近く集まり
一通りの訓練をする中で、訓練の意義を強く感じました。

正直、人工呼吸のやり方を知ったり、
包帯の巻き方を知ったところで、いざ災害が起こったら
現場で本当に役に立つかどうかは、分かりません。

ただそれよりも、防災訓練というのは、
地域の人達が一堂に顔を合わせ、結束を深めるための
貴重な機会だということです。

地区内には、町内会に参加していない家庭もいますが、
仮に自分もそうだったとして、いざ災害が起こったら
その時だけ「助けてください」と援助を求めるのは
ちょっと人としてどうなのかなと思うのです。

なので、防災訓練が初めての方、億劫に感じる人も
是非まずは一度、嫌々でも参加をしてみてください。
町に必要な活動だということが、嫌でも分かると思います。