本せどりは、他のジャンルの転売と比較して
利益率がかなり高いです。
箱もの商売や通常の物販ビジネスは
利益率が5%や10%の会社が大半の中、
本せどりは50%や100%の利益率が、
出そうと思えばいくらでも出せる商売です。
また、それだけ利益率が大きい故に、
商売をする基準がおかしくなってしまい、
他の転売や新しいビジネスをやる際に
大きな足枷となってしまう可能性もあります。
この記事では、本せどりで売上利益を挙げながら、
利益率をどのくらいに設定してやればいいのか、
その考え方を解説していきます。
本せどりの手法/狙う棚と利益率の関係
利益率100%以上を狙える仕入れ方法
利益率100%で商売をしようと思う場合、
狙う棚は文庫や新書が中心になります。
単行本や雑誌もこの利益率で仕入れができないことは
ありませんが、仕入れ対象が約半減することになり、
利益率を固定すると、仕入れの機会損失が多くなります。
やり方は簡単で、普段の仕入れの基準で、
Amazonランキングに対する最低見込利益を
仕入れ金額の200%以上に設定すること、それだけです。
一ヶ月頑張れば、それでも30万円くらいは
仕入れができるので、仕入れ30万に対して
経費を除いた利益が30万円残る仕入れになります。
利益率40-50%を狙う仕入れ方法
利益率40-50%を維持して仕入れをする際は、
単行本や雑誌のプロパー本を積極的に狙う時に
この利益率が、現実的な目標になります。
理由は、これらの本は、利益額も確かに大きいですが
商品自体の単価も高く、さすがに利益率100%を維持すると
仕入れができない本が多くなり、勿体ないからです。
仕入れ価格がもし仮に2000円3000円でも、
もし1000円2000円の利益だったら、仕入れますよね?
また、利益率はあくまでもトータルで考えた方がいいので、
そういう意味でも、100%を絶対的な基準とするのではなく、
「ランクが高い商品は、利益が安くても仕入れる」
「利益が相当高い商品は、ランクが厳しくても仕入れる」
という風に幅を持たせた方が、結果的に利益と商品回転が
良い落としどころになり、バランスを保つことができるので
販売ペースや利益がいい案配に安定するのです。
利益の基準に関しては、こちらの記事で解説しています。
どんな利益率で仕入れをすればいいのか
とにかく少ない資金で金を稼ぎたい場合
資金が30万円や50万円しか無い場合は、
とにかく最初は文庫と新書を中心に攻めましょう。
特に新書は商品回転が異常に早いので、
売上金を回収したらまた次の仕入れに回し、
利益を雪だるま式に増やしていくことができます。
108円の棚に絞ってやれば、どう頑張っても
一ヶ月で24万円~30万以上のお金を使い切れず、
仕入れに全ての金を使っても金が余るようになります。
そしたら徐々に、単価を上げていき、
単行本や雑誌に移っていくのがお勧めです。
とにかく少ない労働時間で効率良く稼ぎたい場合
新書と文庫を攻めて薄利多売を繰り返していると、
稼ぎが上がっていくにつれ、労働時間が増えていき、
売上と利益が頭打ちになります。
また、体力と時間が無くなれば無くなる程、
単に動けないだけでなく、新しい戦略を練るための
気力と時間が無くなってしまうのが大きな問題です。
本せどりをあくまでも続ける場合、
真っ先にやるべきは、商品単価を挙げることです。
具体的には、単行本と雑誌に比重を置くこと。
両方とも、新書や文庫に対して売れるスピードが
全体的に遅く、利益は多い商品がほとんどです。
その為、同じ利益を稼ぐために必要な時間が、
新書や文庫の薄利多売よりも大幅に減ります。
私と同じスキームで本せどりを始めた
師匠さんの兄も、雑誌に絞り始めてからは
週一の仕入れで同じ利益をキープし続けているとの事。
逆にデメリットとしては、回転が遅くなるため、
在庫の総額と量が半端なく大きくなることです。
特に、確定申告をする際は、売れていない在庫分も
資産として計上しなければいけない為、
年末に一旦売り切るか、税金を多く払うことも
覚悟しなければいけません。
ただ、いずれも商売として成り立つくらいは
十分に稼げる為、他に何もスキルが無いという場合、
利益率を保って転売をやるには最適な方法です。
他のジャンルと並行して仕入れをしている場合
他のジャンルと並行してやっている場合、
本せどりの位置付けは、利益率を確保する商材。
基本的に、店舗せどりは利益率が30%を超えるだけでも
今は相当難しくなってきており、30万稼ごうと思うなら
最低でも150万円の資金を用意しないと難しいです。
ですが、本せどりはそこまで多くの元手がいりません。
キャッシュフローが苦しい場合は、本に比重を置いて、
資金周りを改善するための方法としても役に立ちます。
最も利益率が高くなる本せどりの方法
本せどりで最も利益率を確保できるのは、
業者として買取をすることです。
ブックオフも5円やタダで買った本を
プロパーや100円200円で売っていますから、
賃料や人件費を除くと、凄まじい利益率なのが分かります。
ネット上だと、バリューブックス、ネットオフ、
買取王子などの店舗から本を買うと、
「本を買い取ります」というチラシが入ってますが、
あれをネット上や地域のポスティングで行うことです。
現実的には、チラシを撒くにもお金がかかりますから、
最初は自分から本を買った人に発送をする際に
チラシを同梱するところから始めるのがお勧めです。
大手の買い取り業者は、本格的なチラシを作っており、
送料無料契約を業者と結んでいたりするので、
参考にするのは厳しいです。
お勧めは、個人や小規模事業者の買取チラシです。
Amazonの中から、該当する人から本を買い、
その中に含まれているチラシをパクるのがお勧めです。
ただ、デメリットとしては、大きく展開するのは
人を雇う必要があり、地域に特化するならば
お客さんのお宅に車で買取に向かうことになります。
そういった人との交流ややり取りが苦手な人は、
買取業はあまりお勧めできません。
特に、せどりを一年二年やると、一人でいる時間や
誰とも喋らない時間が本当に多い為、それまでよりも
人混みが苦手になり、対人スキルもかなり落ちます。
あと、これは個人的な主観ですが、
本せどりをやろうと思う時点で、世間体を捨てて
とにかく一人で完結する仕事をしたいとか、
人にあれこれ指示をされないことを
優先して選んだ人が多いと思うんです。
そんな方々が、果たして買取をやりたくなるだろうか?
向いているだろうか?と考えると、僕は本せどりを
やっている人が、買取に進出することには疑問を感じます。
実際、やれば儲かるのかもしれませんが
本せどり界隈の知り合いで、実際に始めた人の話は
聞いたことがありません。
なので、具体的なことには言及できませんが、
やりたい場合は、自己責任でお願いします。
少なくとも、僕はやりません。
まとめ
本せどりの利益率に関しては、上記で説明した通り、
・資金が無い場合は新書文庫の薄利多売を狙う(100%以上)
・時間が欲しい場合は単行本雑誌の高利益を狙う(40-50%)
という一応の目標値を念頭に置いて、本のランクや利益に応じて
個別には柔軟に対応していくことをお勧めします。
転売の実績を上げていくにあたっては、商品単価を上げて、
利益率を下げ、売上を上げ、高回転で販売をしていきましょう。
その為にも、本せどりは卒業を常に考えておく必要があります。
本せどりを始めたばかりの頃、
年商が50億円の絵画転売をしている70代の爺さんと話した時に
利益率に関して、こんな話をしてもらったことがあります。
「ハイジ君、利益率は追いすぎちゃいけないよ。
商売は取引先やお客さんがみんな幸せになってナンボだから
自分が利益の大部分を独占する商売は、構造的におかしいんだ。
最初は自分が飯を食わないといけないからいいけど、
ある程度軌道に乗ってきたら、利益率を確保するよりも
いかに売上を上げ、周りの人を全員幸せにするか考えないと駄目。
それを忘れてはいけないよ」
本せどりはまさに、利益の大部分を
実践者本人が独占する構造の商売です。
少しでも早く資金を増やしていき、商売の基本を覚え、
是非そこに安住や満足をせず、より高いものを売ったり
次のステージを貪欲に目指していきましょう。
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