以前別の記事でお伝えしましたが、
本せどりの業界には、両手で数えるほどしか
情報発信者らしき人物は存在していません。
理由は色々ありますが、主な点は以下の通りです。
・専業でやるには狙える利益が足りない
・副業でやるには作業工数が多すぎてコスパが悪い
・外注を雇うには商品単価が低すぎて割に合わない
・社員を雇う規模拡大はAmazonと郵便局に全権を握られる
このような理由から、「本せどりは儲かります!」と叫ぶのは
良心を持った人の場合、とてもじゃないけど出来ませんし、
「本せどりの手法自体を売って金を儲ける」以外の目的で
情報発信をする合理性は、そこまで大きくありません。
そんな中、としさんというプレイヤーの方の名前を
以前から検索エンジンでよく目にする機会があり、
実際に自分も初期の頃は遭遇して読んでいました。
今回は、そのとしさんについて触れてみたいと思います。
としさんとは何者か
としさんとは、私が本せどりを始める以前から
私とほぼ同じスキームで本せどりを実践していた方で、
現在も現役であり、且つブログで情報発信をしている、
数少ないプレイヤーの方です。
ブログの記事は一通り読ませて頂きましたが、
話している内容や言葉の節々、実績の規模感から見ても
本せどりで食っているのは間違いないと思います。
また、本せどりが儲かりますと一年中連呼を続ける人とは違い、
・とてつもなく儲かる訳ではないが、やればそこそこ儲かる
・2018年から2019年にかけて、市況は悪くなっている
という点を正直に話していることや、
発信者のスタンスとして、本せどりを読者に勧めるべきか
日々葛藤している気持ちも、痛いほど伝わってきます。
私も本せどりを実践している間は、自分のやっていることを
否定することは、自分を支持してくれている人達を
裏切ることになる為、情報発信のスタンスが固まらず、
結局、一切の情報発信をすることはありませんでした。
としさんは稼げるのか?
「稼げる」という言葉の定義によります。
としさんは、本せどりを実践している人の中では
上位1割くらいに入る水準で稼いでいると思います。
ですが、他業種を含めたフリーランス・起業家を基準にすると、
30代に突入した後は、最低でも時給3000円台、
できれば5000~8000円台は稼がないと、話になりません。
人材紹介業、広報、エンジニアなど、どんな業界でも、
フリーでそれくらい稼ぐ人は、世の中に腐る程います。
私自身も直接経験しましたが、税理士さんに仕事をお願いしたり
商工会議所で他業種の経営者・フリーランスの方と話をすると
「その程度の売上や利益で社長を名乗ってるんですか?」
という見方をされ、相当侮られていました。
(もちろん、大人同士なので言い方はもう少しマイルドですが、
数字的な話をすると、明らかにそういう見方をされます)
20代の貧乏生活や修行生活は美談になりますが、
30歳を超えた貧乏生活は、世間では洒落になりません。
地方で独身で若い時期を過ごす場合は
月30万円あれば余裕ですが、
・子供を二人以上育てる
・私立の学校に子供を通わせる
・親二人を直接介護、もしくは老人ホームに入居させる
・年に一回の家族旅行に出かける
などを今後考えている場合は、地方なら年収600万円、
都心部なら年収800万円ほどを世帯で確保しないと、
順次、一つ一つ諦めなければならない項目が増えます。
そしてそれはあくまでも一般的な会社員の基準値。
社会保険や年金の額も考えると、倍は欲しいところ。
年収1000万円となると「高っ!」と思うかもしれませんが、
フリーならそれくらい稼がなければ、至って普通の生活、
普通の幸せすら手に入れるのが難しくなるのが、今の世の中です。
なので、
・本せどりという枠の中で「稼げる」人になりたいのか
・フリーランスや経営者という枠で「稼げる」人になりたいのか
・あくまでも自分の望む水準で「稼げる」人になりたいのか
という基準値を明確にすることをお勧めします。
目指す場所の高さが低いと、永久に稼げないままです。
としさんの一問一答
としさんが最新の記事で、
2019年の本せどりは稼げるのか?について
色々と回答していましたが、実践者兼発信者と言う立場上
言葉を濁さざるを得ないところも多々あると思うので、
僕からも、同じ質問に色々と答えていきたいと思います。
本せどりは自由になれるのか?
断言しますが、絶対に無理です。
自由を目指すなら、この商売をやってはいけません。
自己発送は作業時間と消費体力は売れた量に応じて
無尽蔵に増えていくため、時間的自由、精神的自由、
肉体的自由は確実に無くなっていきます。
本せどりはやったほうがいいのか
「本せどりをやりたい」ならやる意義はあると思いますが、
「金を稼ぎたい」「時間的な自由が欲しい」なら、
やらない方がいいです。
儲かる仕事、時給単価を高くできる仕事、時間や働く場所に
縛られない仕事は、もっと適切なものが他にもあります。
一日も早く、そちらに舵を切り替えてください。
また、自己発送の本せどりは、
一度始めると「辞めること」自体に
相当なエネルギーが必要になるので、時間を無駄にします。
「本せどり とし」で検索される理由
これは単純に、としさんのブログに辿り着きたいけど
ブログ自体のタイトルやURLが分からない為です。
良い意味でも悪い意味でも無いので、心配はいりません。
まとめ
としさんはコンサルの募集も行っていません。
本の単価や商売の構造を考えれば当たり前なのですが、
その点からも、とても誠実な人なんだなと思います。
私は、本せどりを続けることも、手法を売ることも
決して悪いことだとは思っていませんし、
マーケットがあるところに商品を提供して勝負が出来るなら
商売人としてむしろ、貪欲に攻めるべきです。
ですが、目の前の商品やサービスに100%の価値があると
自分自身が信じることができないものをお客さんに売るのは、
対面営業の仕事と同じく、精神的に辛いものがあります。
仕事に何を優先するかは人それぞれですが、
一生の仕事にするものを決めたら、少なくともそれだけは
自分が自信を持って人に勧められるものを扱い、
家族に胸を張れる仕事をしていける人を増やしていきたい。
そんな思いから、僕は本せどりを引退した身でありながら、
このブログには本せどりから若い人に引退を促す記事を
数十記事近く挙げさせてもらっています。
割のいいバイトだと思って小銭を稼ぐにはいいですが、
二年も三年も続けた結果、そこから抜けられなくなり、
貴重な人生の時間を無駄にしないで済む人が、
一人でも増えてくれることを、心から祈っています。
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