本せどりが稼げる理由と、長期間やり続ける人がいない理由

本せどりは、2000年代前半、
私がまだ学生だった頃から延々と存在しており、
いつの時代もこれで稼いでいる人がいました。

しかし、それにも関わらず、ここ20年ほど、
「本せどりを長期的にやり続けている人」というのは
一部を除いて、ほとんど聞いたことがありません。

中には実際にそういう仙人のような方も
いるのかもしれませんが、少なくとも情報発信をして
最前線に立って「本せどりの現役実践者」を名乗る人は
聞いたことがありません。

本当に、本せどりは稼げるのか?
だとしたら何故、その本せどりで
長期間稼ぎ続けている人がどこにも見当たらないのか?

今回は、その理由について、解説したいと思います。

目次

本せどりが稼げる理由

必要な資金が少ない

本せどりは、数ある転売の中でも、
最も小資本から始められる有在庫の商売です。

家電や化粧品などの高単価商品の場合、
利益率も2割3割で、ある程度まとまった利益を出すには
100万円、200万円といった資金が必要になります。

自分で商売を始めようと思う人の中で、
一体どれだけの人が、それだけの資金を
ポンと用意できるでしょうか?

本せどりは、手軽に小資金で始められるからこそ、
行動するステージに到達する人の絶対数が増え、
稼ぐ人も現れやすいのだと感じます。

高度なスキルが要らないので誰でもできる

せどりでやる事・学ぶ事は、一般的な会社員のやる
仕事に比べたら、比較にならないくらい簡単です。

ブックオフを回っていると、明らかに学生の人もいますが、
センター試験で点を取れない人でも余裕で習得できますし、
誰でもやれるようなこと以外、勉強する必要はありません。

高度な知識やスキルが要らないので、社会不適合者でも、
コンビニの仕事が手際良くできない人でも、
残念ながら一定以上は稼げてしまうビジネスです。

本せどりで結果を出せない場合は、
副業やネットビジネス自体に
二度と挑戦しない方がいいと思います。

それくらい、簡単です。稼ぐだけであれば。

キャッシュフローが非常に良い

Amazonで商売をする場合、本せどりの強みは

・自己配送の場合、発送前に商品代金が計上される
・郵便局の送料を、後納契約で月締め翌月払いにできる
・FBAの発送手数料がかからず、手数料が少ない

この3点により、他のあらゆる転売と比較して
ぶっちぎりでキャッシュフローが良いことに尽きます。

実際、やれば分かりますが、仕入れに使ったお金を
2週間後には全て回収し、残りが全て利益になるような
感覚なので、お金の回転が非常に速いです。

一般的なビジネスや箱もの商売と比べても
この資金回転の良さはちょっと異常なので
あまり本せどりを標準にして考えない方がいいですが、
ゼロから商売を始めるには、本当に有難いメリットです。

本せどりを長期間やり続ける人がいない理由

ここまで書いた通り、メリットもかなり多いのですが、
「本せどりに興味ある人を集め、本せどりを教える」
目的以外で、本せどりを長期間続ける人は現れません。

ビジネス自体として、何が問題なのか?
原因は、以下の点にあると、私は考えています。

これ一本で家族を養うのは危険

まず、大前提としてあるのは、収入をAmazonに依存し、
手数料や商売の環境も、Amazonと郵便局の管理下で
何をされても文句が言えないという点です。

今後、手数料が増加したり、本を売るにあたって
何かしらの規制がかかる可能性はあります。
(追跡番号が必須になるとか)

そうなった場合も、基本的にこちらから抗議したり
対抗できる手段は何一つない為、実質、商売とは言っても
Amazonの下請け企業と同じようなものです。

これは、商品が増えるほど、売上が大きくなるほど
より顕著になり、リスクとしての意味が大きくなる為、
本格的に本せどりで身を立てる人が少ないのです。

規模拡大をするメリットが少ない

本せどりで規模を拡大する場合、

・外注スタッフや友人家族を雇う
・商圏内で買取事業を行う
・ネットを利用した買取を進める

などが考えられますが、いずれにしても、
先程の項で説明した、Amazon依存体質の商売であることは
変わらず、人を巻き込み、経費を新たに突っ込むほど
この悪しき構造に巻き込む人を増やすことになります。

Amazonも郵便局も、決して私達を苦しめる気は無く
元々そういう仕組みであるビジネススキームに
僕らが勝手に足を突っ込んでる立場なのです。

なので、リスクを減らすためには、
規模拡大よりも、新たな事業の柱を並行して作るか、
本せどりからスッパリ撤退するかの二択になります。

体力が無くなる40代50代で詰む

本せどりは体力依存の為、稼働時間が8割になれば、
当然売上も8割になります。

20代30代は無尽蔵に仕事ができますが、
40代50代になると、体力が無くなってくるし
徹夜もできなくなるので、同じことはできません。

売上が1割2割減る場合、利益が減る分は
1割2割どころじゃなく、本来利益だったところが
丸ごとダメージを受けるので、構造的に仕事を減らせない。

そしてそもそも、いい歳をしてブックオフに行って
本を引っこ抜くことに、負い目は感じないでしょうか。

実際、せどりの現場で見かける年長者は、
ほとんどが良くて30代後半くらいです。
40代50代の人はほとんど見かけません。

つまり、その年代の大半の人にとって、
自発的にやりたい仕事ではないということです。

私は世間体やイメージよりも、
まずは稼ぐこと自体が尊いと思っていますが、
先の長い人生、本当に自分のやりたいことなのか
仕事を決める際は、一度しっかり考えてほしいです。

その上で、金を短期で稼ぐ手段と割り切るならば
何歳からでも挑戦してほしいと思いますが、
体力勝負の仕事であることは、念頭に置いてください。

コミュニケーション能力が下がり、居場所が無くなる

せどりの一番のメリットは、
自分ひとりで仕事が完結することですが、
裏返すと、人と接する機会が極端に無くなります。

一ヶ月、ブックオフの店員以外と
一切私語を喋らなかった時期もありました。

せどりをやっている内は問題無いのですが、
久々に友人の方々と会うと、対人スキル、
コミュニケーション能力が下がっていることを
本当に色々な面で痛感します。

例えば、会話ひとつにしても、
感情を乗せたり声の抑揚がついていないとか。
相槌をしっかり打つとか。

そういう当たり前のこと、何気ないことって
普段の人とのコミュニケーションの中で
培われていくものなんです。

是非、両方の時期を経験してみてほしいですが、
そもそも、人と関わることが好きな人とか、
元々営業の仕事をやっていて、適性のある人は
わざわざ本せどりをやるべき人なのかなというのは
最近、すごく疑問に感じます。

また、人と会わなくていい環境は、すごく楽ですが、
3年や5年関係が無くなると、結婚式があっても
呼ばれなくなり、少しずつ疎遠になっていきます。

要は、一生懸命やればやるほど、
周りから友達がいなくなるんです。

また、上司部下との折衝をしないで済む環境は楽ですが、
それに慣れると、いざ人と真剣に向き合う時が来ても、
相手に対して自分の考えを堂々と言えなくなります。

本当に大切な友人や家族については、
たとえ、本せどりを長期間やって会う頻度が下がっても、
自分からしっかりとコンタクトを取りましょう。

人間関係は、維持する努力をしないと
あっという間に関係が壊れてしまいます。

人として成長する要素が無い

これも非常に大きなデメリットです。

本せどりは、覚える作業自体は1ヶ月2カ月で終わる為、
あとは多少の経験や目利きが肉付けされるとはいえ、
何も勉強をせず、淡々とやることをやるだけです。

そんな状態で1年2年を過ごすと、
当たり前ですが、人として全く成長しません。

私は同世代で同じ時期に商売を始めた友人が
何人かいましたが、同じ時間を過ごしたにも関わらず
経営者として、圧倒的な差をつけられてしまいました。

・自分のやりたいことが明確にある
・圧倒的な自信を持っている
・自分の価値観や信念を持っている
・たくさんの人から応援されている
・多くの人と協力して仕事を進めている
・融資を受けており、スタッフも雇っている

稼ぎ云々以前に、人として圧倒的な差をつけられ、
自分のやりたいことに対しても、自分は全く
前に進んでいないとハッキリ自覚させられました。

仮に商売をやっている立場でない副業の場合でも、
普通に働いて普通に1年2年過ごしていたら、
日頃の色々な経験を通じ、人は成長していきます。

しかし、土日を全部せどりに使ったり、
専業で週5や週6をせどりに費やしていると、
金は手に入りますが、成長の機会を失います。

数年経つと、それが露骨に現れてくる為、
皆何かしらの思いを抱えて、せどりを続けるか
辞めて他の手段を選ぶか、皆考えるようになります。

まとめ

以上を踏まえて考えると、
せどりはお金を稼ぐ手段と完全に割り切り、
金額や期限を決めて集中的に取り組むのがお勧めです。

「本せどりを15年、20年続けています!」
というのは、継続という意味では素晴らしいと思いますが
本が心底好きだったり、指導者の地位を得て金を稼ぐなどの
何かしらの目的が無い限り、本質的には成長を辞めた人なので
わざわざ目指したり憧れたりする対象ではありません。

是非、本せどらーという温すぎる環境に安住して、
人としての成長を辞めてしまわないよう気を付けてください。

長く続けることじゃありませんし、
やらないで済むなら、やらない方がいいです。

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この記事を書いた人

ハイジ/清瀬灰二のアバター ハイジ/清瀬灰二 地元と世界を繋ぐ長男

1986年生まれ。静岡県出身。
新卒入社の大企業→中小企業→個人事業主→破産→日雇い→二度目の起業まで、一通り全部見てきて修羅場を味わった経験を元に、実家暮らし・地域ビジネス・副業・趣味に関する発信を行っています。

横浜DeNAベイスターズ応援歴24年。

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